身元不明遺体は指名手配犯だった 発見から18年、特定の経緯は
東京都三鷹市で2005年に男性を刺殺したとして、殺人容疑で重要指名手配されていた上地恵栄容疑者(当時49)が、事件翌年の18年前に死亡していたことが明らかになった。警視庁が今年4月26日、発表した。遺体は事件翌年に発見されていたが、なぜいまの特定に至ったのか。
事件は05年11月、三鷹市のアパートで起きた。2階の一室で居酒屋副店長の男性(当時53)が亡くなっている状態で発見された。頭部や胸に刺し傷や切り傷があり、警視庁は殺人事件とみて捜査を始めた。
警視庁は翌12月、この部屋に居候していた上地容疑者を殺人容疑で指名手配した。警視庁は行方を追い、上地容疑者の逮捕に結びつく有力な情報を提供した人に最大300万円の報奨金が支払われる「捜査特別報奨金」の対象に指定されたが、これまで逮捕につながる有力な情報はなかった。
事態を動かしたのは、現場にあった血痕の再鑑定だった。捜査関係者によると、被害者の下着の内側に血痕があり、事件直後は上地容疑者のものと断定できなかったが、鑑定技術が上がり、4月に入って再鑑定により「間違いない」と判断したという。
国内で発見された変死体のDNA型情報を集めたデータベースに照会し、4月25日、身元不明死体の一つと一致。翌26日、指紋も12の特徴点が一致し、上地容疑者であることが確定した。
この身元不明死体は、06年3月4日、石川県加賀市内の山中で発見されていた。近くの温泉を訪れていた男性が遊歩道の斜面で見つけたという。遺書はなかったが、警視庁は状況から自殺とみている。
現場に残されていたのは、現…