「光る君へ」に「史実と違う」批判が少ない理由 松村邦洋さんの見解

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構成・加藤勇介
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 源氏物語の作者・紫式部の生涯を描く大河ドラマ「光る君へ」。大河史上で2番目に古い時代で、平安朝の華やかな貴族社会を舞台に、吉高由里子が演じる主人公まひろ(紫式部)と柄本佑が演じる後の最高権力者・藤原道長とのラブロマンスや、朝廷での策謀が描かれる。数字を見ると、初回の視聴率が過去最低の一方で、見逃し配信の視聴者数は過去最多と対照的な結果に。歴史通で大河ドラマ好きなタレントの松村邦洋さんに、異色の大河ドラマをどう見るか聞いた。

〈まつむら・くにひろ〉 1967年生まれ。大河ドラマ好きで、著書に「松村邦洋まさかの『光る君へ』を語る」など

「どうする家康」は瀬名の描き方に議論あったけど

 「光る君へ」はインテリジェンスな大河ドラマですね。これまでの大河でよく取り上げられた源平合戦、戦国時代、幕末なら最後は腕力で話が進んだ部分が、策謀や男女の機微で進んでいく。大石静さんの脚本が本当に面白く、ここまでの展開は100点だと思います。

 時代は約1千年前。これは平将門と藤原純友を主人公にした1976年の大河ドラマ「風と雲と虹と」の次に古い時代です。「風と雲と虹と」は戦に次ぐ戦でしたが、「光る君へ」の時代は大きな合戦はないので、初めての試みとなる大河です。それだからこそ、物語で思い切った展開ができているんじゃないでしょうか。

 まず道長とまひろが幼少の頃…

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