政府内にコロナ禍「一斉休校」の反省 指示権拡大に与野党で隔たり

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千葉卓朗 神野勇人
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 大規模災害や感染症の大流行など非常事態に国が自治体に具体的な対応を指示できるようにする地方自治法改正案が14日、衆院総務委員会で実質審議入りした。コロナ禍の教訓を踏まえ、法的拘束力をもつ「指示権」を拡大する内容だが、野党側は「地方への干渉強化」と懸念。民主主義の根幹をなす地方自治や「対等」が原則の国と地方の関係に関わるだけに、首長らからも慎重審議を求める声があがる。

14日の審議は指示権拡大の必要性をめぐって論戦が展開され、立憲民主党の吉川元氏は「(指示権拡大は)分権なのか、集権なのか」と迫った。だが、松本剛明総務相は「国の責任を明確化する意義がある」と述べ、正面から答えなかった。

 今回の改正案は「国民の生命等の保護のために特に必要な場合」に、個別法で対応できない事態に限って行使するという指示権の創設が柱だ。大規模災害や感染症の大流行などを想定している。

 政府が改正のきっかけとして挙げるのが、コロナ禍での国と地方自治体の対応だ。2020年2月に横浜市で起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での集団感染では、患者輸送などを法的に担う自治体間の調整が混乱。最終的に国が近隣自治体と患者の受け入れを調整したが、当時明確な法的根拠はなかった。総務省幹部は「指示権拡大は、個別法がカバーしきれない想定外の『法の穴』を埋めるための措置」と説明する。

 政府内では、コロナ禍の「一斉休校」の反省もある。安倍晋三首相(当時)が根回しもなく、全国の小中高校と特別支援学校に突然要請し、各地で混乱を招いた。別の総務省幹部は「超法規的な対応を取らざるを得なかった」と語り、個別法の想定を超える事態が生じたことが首相の独断を生んだと捉える。

 ただし、改正案をめぐる大き…

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