アルメニア、ロシアと亀裂決定的 軍事同盟「脱退」、ウクライナ連帯
旧ソ連構成国であるアルメニアのパシニャン首相が12日、ロシア主導の軍事同盟からの脱退を明言した。アルメニアは最近、ロシアの全面侵攻が続くウクライナに寄り添う姿勢まで示していて、経済面でも密接な関係を保ってきたロシアとの亀裂は決定的になっている。
パシニャン氏は12日の議会で、軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)から「脱退する。我々が時期を決める」と強調した。具体的な時期は示していないが、アルメニアは昨年末以降、CSTOへの参加や資金拠出を凍結しており、いずれ脱退するとの見方は強まっていた。
パシニャン氏の態度が大きく転換するきっかけになったのは、隣国アゼルバイジャンとの争いだ。アルメニア系住民が実効支配していたアゼルバイジャン領ナゴルノ・カラバフで2020年に戦闘が勃発。アルメニアの後ろ盾になってきたロシアは平和維持部隊を駐留させた。
だが、昨年9月の戦闘ではロシアはそれを動かさず、アゼルバイジャンが同地を武力で奪還。約10万人のアルメニア系住民が脱出を強いられた。さらに、アルメニアは自国領もアゼルバイジャンの攻撃を受けているとして支援を求めたが、CSTOは応じず、パシニャン氏には不満が募るばかりだった。
ロシアがこうした姿勢を貫く…