「先生」の指南で利益10倍、夢は悪夢に  SNS型投資詐欺の実態

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岸めぐみ
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 「1千万円を投じたら2千万円、5千万円なら1億円に」――。

 仙台市泉区の会社員男性(39)は、LINEのグループ上で「先生」をかたる人物からのこんなメッセージにあおられ、160万円あまりの詐欺被害に遭った。投資した金が10倍以上に膨らんだと錯覚させられていたという。

 SNS型の投資詐欺被害が全国で急増する中、男性が語る一部始終から、巧みな手口の一端が浮かび上がった。

 「先生の言う通りにしていれば、もうかる投資がある」。男性は1月上旬、会社の先輩からそんな言葉を聞いた。同じ部署の社員数人と社内で雑談しているときのことだ。

 「そんなことあるはずがない」。最初は、まるで信じていなかった。

 ただ、気にはなった。社会人になるまで関わりがなかった投資を、この会社では同僚らがいつも話題にしていたからだ。

 自分も影響を受け、専門家が代わりに株を運用する「投資信託」や、少額で投資できる「NISA」といったリスクの少ない投資は手を出していた。

 「投資、調子いいんですか」。後日、そう聞くと、先輩は得意げにスマホの画面を見せてきた。「今、こんな感じになってるよ」。画面上に映し出されていたのは、取引の履歴と今の利益を示す数値。もうかっていると説明された。

 先輩が言う「もうかる投資」は、日本円と外国通貨を売ったり買ったりすることで差益を出す「FX取引」(外国為替証拠金取引)のことだという。FX取引はハイリスク・ハイリターンでそれまで試したことはなかった。

 だが、先輩は「知識のある先生が教えてくれているし、実際に俺も利益が出ている」。自信に満ちた先輩の言葉に、次第に「そこまで言うなら、自分も試しにやってみようか」という気持ちが芽生えた。1週間後、先輩が入る「投資」のLINEグループに招待してもらった。

「クイズ」に正解する度に送られてきたギフト券、疑う気持ちは徐々に薄れ

 グループに登録されていたの…

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