武蔵小杉のタワマン 修繕積立金20億円 プロの住民が選んだ投資先
マンションの建物を維持するために住民から集める修繕積立金などを積極的に運用して、収益を得ているタワーマンションが川崎市にある。運用額は約2千人から集めた20億円以上。修繕積立金の不足が各地で心配される中、企業に匹敵する規模の運用の現場を取材した。
JR武蔵小杉駅から徒歩数分という好立地。川崎市中原区のタワマン「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」では、59階建ての住宅794戸に約2千人が暮らす。
2009年の竣工(しゅんこう)だが、周囲の植栽の手入れは行き届き、広々とした1階ロビーはホテルのようで、古さは感じない。
住民らでつくるパークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー管理組合法人が運営する公式サイトによると、その資金力を支えるのが「積極的な資産運用」だ。
同法人の代表理事副理事長で住民の志村仁さん(63)によると、月々集める修繕積立金を13年に増額したことがきっかけだった。
17年夏に有志を募ると、外資系投資銀行員や大手証券会社員、ヘッジファンド関係者と、タワマン内に住む複数の金融のプロが続々と集まった。
外資系投資銀行に証券会社 住民有志は金融のプロ 出した答えは
立ち上げた「資産運用審議会」では、修繕積立金の特徴を土台に議論をスタートした。
約16年周期で必ず支出がある、将来のインフレに備える必要もある、でも元本割れはしたくない――。
国債だけでは、期待した利回りが得られない。株は売り買いの判断が難しい。
プロたちが知恵を絞って出た…