政権崩壊1カ月……バングラデシュ暫定政権「改革実行」も道筋見えず

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笠原真
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 バングラデシュで大規模なデモの末に政権が崩壊して、5日で1カ月。国民は前政権で蔓延(まんえん)した汚職の撲滅や機会の平等を求め、暫定政権も制度改革を公約する。しかし改革の中身は依然示されておらず、総選挙の時期も見通せないままだ。

 「自由で公正な総選挙は、必要な改革がなされた後に実施され、学生や国民に成功をもたらすだろう」。ノーベル平和賞受賞者で、暫定政権のムハマド・ユヌス最高顧問(84)は先月25日、演説で国民にこう語りかけた。行政や司法、選挙制度などの改革を実行し、総選挙を経て、透明性の高い政治体制を導入すると強調した。

 公務員採用の優遇措置をめぐり7月に拡大した学生デモは次第に、批判を徹底的に弾圧するなど、強権化した長期政権への反政府運動へと変わった。8月5日にハシナ前首相が隣国インドへ脱出。大統領が議会を解散し、ユヌス氏をトップとする暫定政権が発足した。ロイター通信は保健省の話として、デモ隊と治安部隊の衝突による死者が1千人超に上ったと報じた。

社会分断が露呈、暫定政権の課題多く

 ユヌス氏は先月、インド政府…

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この記事を書いた人
笠原真
ヤンゴン支局長兼アジア総局
専門・関心分野
紛争、難民、格差