暴力の嵐、露呈した分断…バングラ政権崩壊1週間、国民融和の道は
バングラデシュのハシナ前首相が退陣に追い込まれてから、12日で1週間が経った。反政府デモは15年間にわたった強権体制を崩壊させたと同時に、社会のひずみを浮き彫りにした。人々に刻まれた深い分断を癒やすことはできるのだろうか。
首都ダッカ中心部の豪邸に近づくと、油の臭いが鼻を突き、思わずせき込んだ。ハシナ氏の経済政策の右腕、サルマン・ラーマン氏の邸宅だ。政権が倒れた5日、一部デモ隊による略奪や放火の被害に遭った。
放置されたままの焼けた車両や、地面に散乱した物品、破られた扉。9日、門番をしていた男性は「1千人が襲撃した」と話した。
政権崩壊に乗じた襲撃は、バングラデシュの宗教的少数派ヒンドゥー教徒にも及んでいます。記事後段では、一人の男性が本音を吐露します。
7月からのデモで、与党アワミ連盟(AL)や政府関係の建物、警察署が次々と襲撃された。野党弾圧を強めたことで「独裁」と見なした国民の政権への不満が爆発した結果だが、混乱に乗じた略奪目的の暴徒もいたとみられ、国内が暴力の嵐に見舞われた。
地元紙ダッカ・トリビューン…
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