土浦・中道南遺跡から仏具「塔鋺形合子」のふた見つかる 茨城県内初

富永鈴香
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 茨城県教育財団は5日、土浦市南部にある集落跡の中道南(なかみちみなみ)遺跡から、仏具の一種である「塔鋺形合子(とうまりがたごうす)」のふたが出土したと発表した。県内で見つかるのは初めて。一般の集落跡からの出土も全国で2例目だという。

 財団によると、塔鋺形合子は、ふたの上部に塔の飾りがついた容器。中国やインドでは舎利(釈迦の遺骨)を、日本でも香を収納する用途で使われたと考えられている。

 出土したふたは高さ7・7センチ、口径7・4センチ、重さ245グラム。材質は銅合金とみられている。

 中道南遺跡の発掘調査で、古墳時代から平安時代の竪穴住居跡などを確認。人々が生活した集落であると判明した。この一角にある、900年前後に建てられたとみられる竪穴住居跡から、ふたが出土したという。

 塔鋺形合子はこれまで、正倉院の宝物や法隆寺の献納物など全国で25点確認され、国の重要文化財に指定されているものもある。一般の集落跡からは、長野県の小島・柳原遺跡群で出土している。

 財団の担当者は「年代が特定できる遺跡から発掘され、美術工芸品として完成度が高く貴重だ」としたうえで、「なぜ一般の集落跡から仏具が出たのか、周辺の状況などから今後検証したい」と話している。

 出土したふたは、8~14日の午前9時から午後4時半まで、県埋蔵文化財センター(城里町)で一般公開する。無料。問い合わせは財団(029・225・6587)へ。

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