医師の働き方改革の影響は? 総労働時間減少も、研究時間の確保課題
全国医学部長病院長会議は11日、勤務医の時間外労働を規制する「医師の働き方改革」の影響に関する調査結果を公表した。労働時間が短縮傾向にある一方、時間外労働が年960時間相当を超えて働く医師が、依然として2割強いることがわかった。
医師の労働時間を適切に管理していない医療機関が多く、医師の長時間労働が常態化していた。医師の健康を守るため4月から、医師の時間外労働は、原則年960時間、特例で年1860時間とする上限が設けられた。
全国医学部長病院長会議が4~5月に全国82大学とそこで働く医師に行ったアンケートによると、4月の週平均の総労働時間が50時間未満の医師は49・5%だった。2022年7月の前回調査(41・5%)より増加し、勤務時間が短くなっている傾向だった。主治医制ではなくチームで患者を診たり、患者家族への説明を平日にしたりする取り組みが進められているという。
ただ、時間外労働が年960時間以上に相当する週60時間以上だった医師は22・4%いた。20~30代の医師の労働時間が長かった。診療科別では、小児科や外科、救急科で勤務が長い傾向だった。
勤務時間が全体的に減るなか、勤務の多くは診療に割かれており、大学病院にとって重要な研究に使える時間は少ない状態が続いている。20代の80・8%、30代の27・5%が週平均の研究時間が0時間で、若手医師が十分な研究時間を確保できていなかった。
また、宿直や日直を労働時間…