「学校は過去を振り返って」 いじめ被害の女子生徒は逃げずに戦った

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原田悠自
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 先生はまともに話を聞いてくれない。転校した方が楽じゃないか――。

 2023年3月、同級生からいじめを受けて不登校になっていた中学2年の女子生徒は悩んでいた。将来を悲観する一方で強まったのは、悔しい、納得いかない、という気持ちだった。

 「逃げずに戦おう」。被害を訴え続け、ようやく学校が重い腰を上げた。

 水戸市にある私立水戸英宏(えいこう)中学校。女子生徒の被害を認識しながら問題を1年以上放置してきたが、同年8月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」があったと県に報告。11月に外部の弁護士らで構成する調査委員会が発足し、調査が始まった。

 調査委によって正式に重大事態と認定されたのは今年7月。調査の過程で、他に3人の同級生もいじめなどを訴えて転校や不登校になったとわかった。

 この件について水戸英宏中学校は同月、「問題点の指摘と再発防止に向けた提言を真摯(しんし)に受け止め、生徒指導体制を再点検する」とのコメントをホームページに掲載。取材に対して「報告書については公表しておらず、コメントはしません」としている。

教室で止まらなかった涙

 「いじめに対する認識が軽すぎる。同じような学校が少しでもなくなってほしい」。すでに卒業している女子生徒はそんな思いで、8月下旬に朝日新聞の取材に応じた。

 女子生徒は中学2年だった2…

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この記事を書いた人
原田悠自
水戸総局|キャップ
専門・関心分野
調査報道、社会問題、事件・事故・裁判