親子3代でつくる「クマよけアプリ」 熟練ハンターの遺志継いで開発
丸石伸一
【動画】熟練ハンターが録音した猟犬の鳴き声や銃声でクマよけアプリを開発=渡辺秀行さん提供
「この音声はクマよけに効く。広く多くの人が使えるようにしてほしい」。北海道更別村で60年の経験をもつハンターの遺志を継いだ次男と孫が、猟犬の鳴き声や銃声の録音データを無料で配るアプリをつくった。ダウンロード数はまだ少ないが、大きな音が出せるスピーカーの開発など改善を続けている。
アプリ「クマよけBowBear(ボウベア)」は5月にリリースされた。2021年に82歳で亡くなった熟練ハンター・渡辺勇さんが音声の利用を発案し、次男の秀行さん(57)と、秀行さんの長男で勇さんの孫の尚希さん(25)の2人が形にした。勇さんが育てた猟犬の鳴き声や狩猟時の銃声を繰り返し再生できる。
生前の勇さんは、造林業のかたわら猟をしていた。多いときには50頭ほどの猟犬を飼い、冬の猟期には全国から集まるハンターを山に案内する。
ヒグマやシカから地域を守る…