第1回安倍氏の「対極」石破氏に回った出番 2人の因縁は12年前から
松山尚幹 森岡航平
「国民を信じて、逃げることなく、正面から語る自民党をつくっていく」。27日の自民党総裁選。決選投票前の演説で、石破は「国民を信じる」と強調した。今回の総裁選を「安倍路線の総括と、それを継続するか否かが最大の争点だ」と臨んだ思いがそこにあった。
4年前の総裁選は、まったく違う景色だった。菅義偉、岸田文雄に敗れ、「石破の存在意義はない」とまで烙印(らくいん)を押され、仲間が一人、また一人と去った。自身もこう漏らしていた。「自民党が本当の危機の時にしか、もはや自分の出番はない」
その「危機」が、予期せぬ形で訪れた。安倍晋三が率いた安倍派の裏金事件。再び下野しかねない状況の中で、勝ったのは「安倍路線の継承」を掲げた高市早苗ではなく、「転換」を象徴する石破だった。
安倍氏とは「考え方の根幹が違う」
安倍と石破、2人の因縁は1…