第1回安倍氏の「対極」石破氏に回った出番 2人の因縁は12年前から

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松山尚幹 森岡航平
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 「国民を信じて、逃げることなく、正面から語る自民党をつくっていく」。27日の自民党総裁選。決選投票前の演説で、石破は「国民を信じる」と強調した。今回の総裁選を「安倍路線の総括と、それを継続するか否かが最大の争点だ」と臨んだ思いがそこにあった。

 4年前の総裁選は、まったく違う景色だった。菅義偉岸田文雄に敗れ、「石破の存在意義はない」とまで烙印(らくいん)を押され、仲間が一人、また一人と去った。自身もこう漏らしていた。「自民党が本当の危機の時にしか、もはや自分の出番はない」

 その「危機」が、予期せぬ形で訪れた。安倍晋三が率いた安倍派の裏金事件。再び下野しかねない状況の中で、勝ったのは「安倍路線の継承」を掲げた高市早苗ではなく、「転換」を象徴する石破だった。

安倍氏とは「考え方の根幹が違う」

 安倍と石破、2人の因縁は1…

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この記事を書いた人
松山尚幹
国際報道部
専門・関心分野
外交・安全保障、政局と政策、財政税制
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    辻田真佐憲
    (評論家・近現代史研究者)
    2024年9月28日23時30分 投稿
    【視点】

    敵と味方を峻別し、分かりやすい構図を作り出して動員を図る手法は、SNS時代に非常にマッチしており、安倍氏の政治的な原動力のひとつでもありました。一方で、石破氏はその対極に位置するスタンスを示しており、かれが総裁に選ばれたことは、日本の政治に

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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2024年9月28日22時52分 投稿
    【視点】

    石破茂氏はその昔、未来の日本の首相は誰だと思うかを挙げる雑誌の企画で、「安倍晋三」と挙げたことがあると話していました。北朝鮮による日本人拉致疑惑問題の解決を目指す超党派の新たな議員連盟が2002年に発足した際には、安倍氏に頼まれ、石破氏が会

    …続きを読む