「中国は台湾の祖国になりえない」 頼総統が演説、「双十節」を前に

台北=高田正幸
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 台湾の頼清徳(ライチントー)総統は5日、建国記念の日に相当する「双十節」を控えた台北市でのイベントで演説し、「中華人民共和国(中国)は中華民国(台湾)の人びとの祖国にはなりえない」と述べた。台湾総統府が発表した。中台は一つであると主張する中国側が強く反発する可能性がある。

 双十節は中華民国誕生につながった辛亥(しんがい)革命の発端となった1911年の武昌蜂起を記念した10月10日の祝日。頼氏は5日の演説で、49年に誕生した中華人民共和国よりも中華民国のほうが歴史が長いとして、中国は「中華民国の人びとの祖国ではない」と訴えた。「むしろ75歳以上の中華人民共和国の人びとにとって中華民国が祖国かもしれない」などとも語った。

 中国は、「中台が92年に中台は一つだとする『一つの中国』原則を認めた」とする「92年コンセンサス」を受け入れることを中台間の対話再開の条件としてきた。一方、台湾与党の民進党政権はこのコンセンサスを認めていない。

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この記事を書いた人
高田正幸
台北支局長兼香港支局長
専門・関心分野
台湾、香港、中国、反社会的勢力