公明党の北側一雄副代表(71)が政界を引退した。安倍政権下で成立した安全保障法制では、公明の責任者として自民との交渉を担った。意見対立を水面下で調整するなど、連立政権の欠かせない「つなぎ役」だった。
「自民と公明が大きな課題の中で違いがある時、だいたい私の出番だった」。衆院が解散された9日、北側氏は朝日新聞の取材にそう振り返った。「主張だけしていても合意形成はできない。時には一歩譲歩する。汗をかく。苦労したけど、非常にやりがいがあった」
両党の違いが鮮明になったのは、2015年に成立した安保法制だ。集団的自衛権を一部認め、日本が武力行使できる範囲を広げる議論に「平和の党」を代表して向き合った。
自民の高村正彦元副総裁と議…