「選挙、興味ない」低投票率の若者 公開討論会で政治への関心を喚起

斎藤茂洋 北上田剛
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 【千葉】17日夕、松戸市の北松戸駅。野党の候補者が手を振る横で、同市の会社員の女性(24)が家族の迎えを待っていた。

 「選挙には行かない。時間もないし、興味もないから」

 若い世代の投票率が低迷している。県選挙管理委員会によると、前回2021年の衆院選の投票率は53・64%だった。

 年代別(抽出集計)では、最も低かったのが20~24歳の34・39%で、25~29歳の34・47%が続いた。18~19歳は45・23%だった。一方、高かったのは65~69歳の67・70%、次いで75~79歳の67・14%だった。

 「候補者の人柄を伝えられて良かった」

 駒沢大学で政治学を学ぶ富津市の遠藤舜也さん(21)は、今年9月の同市長選を前に、公開討論会を企画・開催した。立候補を表明していた現職と新顔の立候補予定者がいずれも参加してくれた。

 大学の友人らに協力を呼びかけたが、集まったスタッフはわずか2人。公民館に立候補予定者を招き、少人数でも運営できるオンラインでの開催になった。

 小学生のころ、市の財政危機を伝える報道に触れた。「こんなに魅力がある街なのに。どうにかしたい」。中学生になると、ブログで地域のイベントや店の紹介を始めた。討論会もその延長線上だ。「何が争点になっているのか、わからない。誰もやらないなら自分でやろうと思った」

 市の人口は、1985年の約5万7千人をピークに減少に転じ、現在は3万9千人余。推計では2040年には約3万人にまで落ち込む。

 なのになぜ、若者は政治や選挙に関心を持たないのか。

 「若い人は、政治のことが分からないと思ってしまう」と遠藤さん。「そんな自分が一票を入れるのは無責任だから、投票には行かないと考える人もいるのではないか」

 千葉市若葉区の高校3年の女子生徒は9月に18歳になったばかり。衆院選が初めての投票になるが、投票先はまだ決めていない。「学校で選挙制度は習うけど、選挙によって世の中がどう変わるのかは教わらない。だから想像がつかない」

 毎日、スマホでX(旧ツイッター)を見る。今夏の都知事選では、特定の候補者の情報が多く舞い込んできた。

 その候補者について、投開票日の前は肯定的な投稿があふれ、その後は否定的な意見が目立った。「切り取り方が極端な動画が多かったと思う」

 選挙権を得て初めての選挙。都知事選で感じた違和感から、自宅でとっている新聞を読み、気になった候補者は公式サイトで調べてから、投票先を決めるつもりだ。

 「自分の一票ではあまり状況は変わらないと思う。だからこそ、入れたいと思う人に入れたい」。投票日は朝一番に投票に行ってから、大学入試の模試を受けるという。

     ◇

 日本財団は9月20、21日、全国の17~19歳の男女計1千人を対象としたインターネットによる「18歳意識調査」を実施した。

 「日本の政治で特に力を入れて取り組んでほしいテーマ」(三つまで回答)では、いずれも全体で「少子化・子育て支援」(38・2%)▽「経済・景気対策」(34・0%)▽「教育」(24・3%)の順に多かった。

 今回の衆院選で、県内の全14選挙区の立候補者計60人の平均年齢は、53・4歳(投開票日時点)。最年少は29歳、最高齢は77歳だ。

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この記事を書いた人
斎藤茂洋
柏支局長|千葉県北西部
専門・関心分野
地方自治 地域の高齢化
2024衆院選

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