台湾に新潟を売り込め 現地でフェス開催 燕市の会社社長が呼びかけ
コメや酒だけではない新潟の魅力を台湾の人たちに伝えたい――。そんな燕市の会社社長の呼びかけで11月、台北市で新潟フェスが開催される。参加するのは、溶接アートや絵本、音響機器、雑貨、観光ホテル、芸術祭など県内で展開する様々な業種の15事業者。新潟の技術や文化をアピールし、台湾からの観光客を呼び込む狙いだ。
企画したのは、燕市でプリザーブドフラワー店を営む「ニイガタソウゾウ」社長の早川琳(りん)さん(30)。小千谷市の測定器会社に勤務していたときに取引先だった台湾の人と仲良くなったのがきっかけで、台湾と関わりを持つようになった。同社を退職後、ワーキングホリデーなどで1年半、台湾に滞在。新潟の魅力がまだまだ世界に浸透していないと感じた早川さんは昨年5月に会社を設立し、店舗経営をしながら新潟と台湾との交流事業を手がけている。
早川さんたちは今年6~7月の約1カ月間、台湾北部の新北市の商業施設で初めての新潟フェスを開催、県内から29の事業者やグループが参加した。2回目となる新潟フェスは11月2、3日の2日間、台北市の食料品小売市場「新富町文化市場」の施設内で開かれる。
今回参加する15事業者の一つ、燕市の溶接業「WAAS FACTORY(ワーズファクトリー)」は、ステンレスを溶接したアート作品のアクセサリーを出品する予定だ。代表の小林亮介さん(42)は「燕三条の技術を台湾の人にも知ってもらって、世界に広げる足がかりにしたい」と意気込む。
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2023年に県内に宿泊した外国人の数は27万4890人で、国・地域別では台湾が5万8750人と最も多く、全体の21%を占めている。昨年1月には台湾の格安航空会社(LCC)が新潟と台湾を結ぶ直行便を開設した。早川さんは「新潟にはコメや酒だけではない食材や産業、自然、文化がたくさんある。そんな魅力を台湾の人たちに伝えて、もっと多くの人が新潟を訪れて新潟を最大限楽しんでもらいたい」と話す。