バターが盗まれるロシア、背景にインフレ 急激な利上げに混乱懸念も

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 ロシアが大幅なインフレ(物価高)に直面している。ロシア中央銀行はインフレ抑止のため、急速に政策金利を引き上げており、その水準はウクライナ侵攻直後の「緊急措置」だった20%を超えた。表向き安定したロシア社会だが、混乱を懸念する声も出始めた。

 10月以降、複数のロシアの独立系メディアは、食料品店などでバターの盗難が相次いでいると報じた。バターの値上がりが一因とみられるといい、「メドゥーザ」は10月23日、盗まれないようバターを特殊な容器に入れる店が出ていると伝えた。

 ロシア統計局によると、今年初めから11月11日までに、バターは約28%、ジャガイモは約67%、タマネギは約27%値上がり。ロシアの冬に欠かせないクリスマスツリーも、今年は10~20%値上がりしそうだと報じられる。

 ロシアの消費者物価上昇率は…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年11月18日0時35分 投稿
    【解説】

    世界的にインフレが進んでいるとは言え、ロシアの場合、制裁を受け、十分な商品の供給がないことや、戦費の支出が恒常的に増えていることによる通貨価値の下落など、様々な要因でインフレがしつこく進んでいるという状況なのだろう。人々の生活にじわじわと染

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