米トランプ政権、対中政策は「キマイラ」に 異なる顔で分かりづらさ
聞き手・鵜飼啓
佐橋亮・東京大学准教授
トランプ前米大統領の返り咲きは、東アジア情勢に大きな影響を与えそうだ。トランプ氏は「タリフ(関税)マン」を自称して対中関税の強化を掲げており、米中の間の摩擦が高まる可能性がある。1期目には北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記と会談を重ねた記憶もよみがえる。トランプ政権再来で何が起きるのか。米中関係や東アジア情勢に詳しい佐橋亮・東京大学准教授に聞いた。
――第2次トランプ政権の対中政策はどうなりますか。
「基本的には多面的な顔を見せてくると思います。『キマイラ』(ライオンの頭とヤギの胴、ヘビの尾を持つギリシャ神話の怪物)と言ってもいい」
「一方で米国第一、要するに米国の経済的利益を最優先する考え方があります。米国に雇用を取り戻し、米国人の賃金を上げる。中国からの輸入に対する関税強化を手段にし、取引を迫っていく。貿易戦争の様相を呈するということもあるでしょう」
「他方で別の顔もあり、故レ…
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