台湾からのインバウンドに熱視線 大津市が旅行会社招いてPR
【滋賀】大津市が、台湾からのインバウンド(訪日外国人客)に力を入れている。台湾の旅行会社によると、大津は京都や大阪の近くに位置しているが知名度は高くないそう。その分、伸びしろはまだまだありそうだ。
市によると、昨年、市内で宿泊した外国人観光客は延べ約14万人。国・地域別では、親日家が多いとされる台湾が多かった。比叡山延暦寺や門前町の坂本エリア、びわ湖バレイなどが人気だという。
市は、2015年から台湾からの誘客促進の取り組みを続けており、「効果は出ている」とMICE推進室長の大塚一貴さん。13~15日には台湾の旅行会社を招いて、市内の観光資源をPRした。
旅行会社の担当者は、雄琴温泉と琵琶湖ホテルに泊まった。2泊3日の行程で、雄琴温泉、坂本エリア(旧竹林院や西教寺)、石山寺、観光船・ミシガン、近江神宮、三井寺を見学。京都市と大津市を結ぶびわ湖疏水(そすい)船や、琵琶湖岸でのサイクリングも体験した。食事は、うなぎや近江牛などを味わった。
15日には、三井寺で商談会があった。市内の9事業者が、台湾の旅行会社4社(うち1社はオンライン参加)と商談した。
参加した比叡山延暦寺は、1200年あまりの歴史を有して世界遺産に登録されていることや、境内は広くて自然豊かで琵琶湖を一望できることなどを説明した。近江牛専門店「松喜屋」は、スマートフォンで動画を見せて、レストランの様子を伝えた。
台湾の旅行会社・大栄旅行社の担当者によると、琵琶湖は有名だが、大津は「まだ知られていない」という。一方、この3日間で自然豊かな大津のよさを知ったようで、「(サイクリングやカヌーなどの)アクティビティーがあるのがいい。びわ湖疏水船は感動した。琵琶湖疏水が造られた歴史の説明が素晴らしかった」と感無量の様子だった。
名生旅行社の担当者も「紅葉の時期も桜の時期も魅力的。観光地としても宿泊地としても満足できると思う」と高評価だった。
松喜屋は昨年、台湾からの来客に対応できるように、台湾人を社員に採用した。部長の山本誠さんは「これからも近江の食文化や食材を発信していきたい。(日帰りとは)経済効果が違うので、1泊でも大津に宿泊して頂けることを期待している」と話した。
市によると、参加した台湾の4社は団体旅行のツアーをつくっている旅行会社のため、目に見える形で成果がわかる。MICE推進室主任の濱田あゆみさんは「大津市にゆっくり滞在して、ゆっくり回ってもらえたらいいなと思う」と期待を寄せた。