子育て支援には食洗機、パナソニックが平川市に30台貸与
青森県平川市と大手電機メーカーのパナソニックは3日、子育て支援に関する連携協定を結んだ。同社が市内の子育て世帯に食器洗い乾燥機(食洗機)を無償で貸し出し、家事の負担軽減を実感してもらうという、全国でも珍しい取り組みだ。
食器洗いは家事の中でも毎日のように行い、時間もとられる作業だ。食洗機を導入すれば大幅な負担軽減になるため、パナソニックは特に時間に追われる子育て世帯への普及に取り組んできた。
一方、平川市は子育て世帯の支援に力を入れているほか、男女共同参画社会の実現のため、男女の家事分担も掲げてきた。こうした取り組みに同社が着目し、協定締結を持ちかけたという。
食洗機の貸し出しは実証実験という位置づけで、同社は30台を無償で貸し出し、市内の子育て世帯に3カ月間使ってもらう。使用後には使い勝手や効果、感想などを聞くアンケートを実施。今後の市の子育て支援策や、同社の商品開発に生かしていく。
今回貸し出す食洗機(NP―TSP1―W型)はタンク式のため、水道工事の必要がなく、設置してすぐに使えるのが特徴だ。奥行きは約35センチとコンパクトで、シンク回りの限られたスペースでも置くことができる。家電量販店では約9万円で販売されているという。
一度に家族4人分に相当する24点の食器の洗浄と乾燥が可能で、食器をセットする時間は約2~3分。同社によると、通常の食器洗いと比べ年間で約190時間の時短効果があるという。また、年間約3万リットル分の節水効果がある。
同社の澤近京一郎・食洗機SBU長は、食洗機での子育て支援について「日本での普及率はまだ30%程度。家事の負担軽減だけでなく、お子様と過ごす時間が増える効果も実感してほしいと思った」と説明した。
誰でも簡単に扱え、男女の家事分担が進む効果も期待できるという。長尾忠行市長は「(パナソニックの)先進的な技術やノウハウを活用し、ともに新たな施策を進めていきたい」と述べた。
対象は市内に住む高校生以下の子どもがいる世帯など。募集は18日~1月10日で、市の広報誌やホームページなどで告知する。利用期間は1月27日~4月20日で、使用後は同社が回収する。