「伊賀まちかど博物館」に鉄道、竹あかりの2館追加 高校生が館長に
三重県伊賀地域の様々な分野で活躍する市民が、技や作品、コレクションを自宅や仕事場で公開する「伊賀まちかど博物館」に、新たに伊賀、名張両市の2館が加わった。1日の認証式で各館長が認定証や博物館の看板、のぼり旗を受け取った。初めて高校生館長が誕生。2000年に始まった同博物館の活動数は計93館になった。
伊賀市島ケ原の「島ケ原鉄道博物館」は、旧国鉄・JRの駅や旅行センターで38年間勤務した大矢繁さん(73)が06年ごろ、自宅の8畳間に開設した。
地元は国鉄・JR関係者が多いため、「鉄道村」の異名を持つ。祖父も父も国鉄職員。小学校のころから鉄道が好きで、中学から蒸気機関車の写真を撮り始めた。30代半ばからグッズを収集し、「数千点以上かな」「数千万円は使ってるかな」。駅員の制帽や懐中時計、バッジなどから、駅の看板や行き先表示板、タブレット(通票)、蒸気機関車のプレートなど大きなものまで。「(収集が)止まらない。ないものはないんちゃうかな」
直径1.7メートル以上の蒸気機関車の動輪を購入済みで、レールとともに前庭に置く予定。電気機関車の本体も予約済みで、「そのうち蒸気機関車も購入できれば」と夢は膨らむ。入館無料だが事前予約(0595・59・2169)が必要。
「竹あかり工房 きぼう」は、通信制高校3年の竹森龍馬さん(17)が高校1年だった22年、名張市新田の旧初瀬街道沿いにある自宅の車庫を改造して開いた。
子どもの頃から工作が得意。小学校の時、竹あかり作家のワークショップに参加し、心引かれた。カビが生えないように竹の表皮を削ってバーナーであぶり、複数のドリルで穴を開けて模様や文字を描く。そんな作業は「熱中できるし、飽きない」という。工房では、自作や注文を受けての竹あかり作品販売やワークショップを開く。
旧初瀬街道沿い約500メートルで、LEDの竹あかりを照らすイベントも今年10月に3回目を開いた。イベントで使った後の竹は翌年は使えないため、竹炭にして販売も始めた。「地域に恩返しし、名張を応援したい」。博物館認定で来場者が増え、「初瀬街道の歴史や竹のよさを伝えたい」という。
無料だが要予約。問い合わせは竹森さん(080・8895・1346)へ。