お寺のネットワークで困っている子どもを支援 貧困考えるシンポ

遠藤和希
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 経済的に困窮するなど困りごとを抱える家庭に食べ物や物資を届けている団体などが集まって、子どもの貧困を考えるシンポジウムが長野県上田市で開かれた。

 主催したのは、お寺にお供えされた物資を、子ども食堂などに提供するのを仲介している認定NPO法人「おてらおやつクラブ」(奈良県)。シンポは11月29日に開かれた。

 おやつクラブによると、必要としている家庭に食品などを届けたいと考え、クラブの活動に賛同している寺院は全国に2095あり、そこから物資の提供を受けている子ども食堂などの団体は900以上ある。長野県内では51寺院、12団体がこうしたネットワークに参加しているという。

 会場に来ていた長谷寺長野市)の岡沢慶澄住職は、困っている子どもや家庭を把握するのは難しいとし「この仕組みなら必要な方に物資を届けられる」と話した。

 シンポにはインターネットで古本売買を展開している上田市の「バリューブックス」の幹部らも参加していた。取締役の中村和義さんは、古紙回収にまわるはずだった古本を、経済的に恵まれない人たちに届ける同社のプロジェクトを紹介。2017年以降に6万冊以上を延べ212カ所に届けたといい「これからもNPOと連動して本を届けていきたい」と話した。

 おやつクラブの事務局長で愛知県岡崎市の明願寺住職、松野尾浩慈さんは「年末年始は特に支援を求める方が増える。地域での支え合いにぜひ協力して欲しい」と呼びかけた。

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