「誰でも被害に遭う」米軍被害の現実 国連へ向かわせた過去の悔い
棚橋咲月
少女に対する不同意性交などの罪に問われた米軍嘉手納基地(沖縄県)所属の米兵への判決が13日午後、那覇地裁で言い渡される。この事件後、沖縄の女性たちが性暴力の現状を国連女性差別撤廃委員会で訴え、米兵による性暴力を「ジェンダーに基づく暴力」とする委員会の指摘につながった。「誰もが被害者になりうる」と、多くの人が痛みを共有している。
事件が明らかになったのは今年6月。沖縄市に住む非常勤講師の山城莉乃(りんだ)さん(51)はニュースを知り、今回もこう思った。「被害者は自分だったかもしれない」
自身も子どもの頃、米兵の被害に遭ったことがあるからだ。
嘉手納基地の出入り口に連なる「ゲート通り」近くで育った。父が営む洋服店には、米兵の客もよく訪れた。中学生くらいの頃、基地内で毎年開かれるフェスティバルに友達と行った。
お化け屋敷のテントに入ると中は真っ暗で、案内役の米兵に手を引かれ進んだ。友達とは途中で離ればなれになった。
出口の明かりが見えたとき…