Bリーグ特別指定断った東山の瀬川琉久 コーチの訴えに目覚めたエゴ
高橋健人
シュートにいける場面でもパスの出しどころを探してしまう。東山(京都)の瀬川琉久(りく)(3年)に起きた異変。大沢徹也コーチは目を覚まさせようと、あえて敬語を使って辛辣(しんらつ)に問いかけた。
「君は、どこの瀬川くんですか?」
ほどなくして福岡県で開催された全国高校総体(インターハイ、8月)。同校は初めて頂点に立った。ただ、瀬川は「あまりうれしい実感はなかった」。1人で取った合計得点は106。同じく全5試合に出場して準優勝した前回大会と比べれば、14点も落ちた。
「100点取られても101点取る」という超攻撃的スタイルに共感し、神戸市立本山南中から東山へ。ゴールに迫れば、すらりと伸びる長い腕で相手のブロックを巧みにかわし、リングにボールをねじ込む。華麗なプレーで得点を量産するポイントガードは、その攻撃力ゆえに「世代ナンバーワンプレーヤー」と呼ばれてきた。
■3カ月間、東山にいなかった1年
最上級生になったこの1年、合計で約3カ月、チームを抜けた。
2月は世界の有望な高校生が…