江戸時代からの高級スイーツ? 南国の城下町でつくられる「厚焼卵」
宮崎県日南市には「厚焼卵(あつやきたまご)」という郷土料理がある。お弁当のおかずなどになる、あの卵焼きではなく? 初めて食べたらその味に驚き、そしてやみつきになる人もいるらしい。和風プリンと評する人もいるとか。百聞は一見にしかず。現地を訪れた。
江戸時代に栄えた飫肥(おび)藩の中心地で、九州で最初に選定された国の重要伝統的建造物群保存地区もある風情ただよう城下町。ここに、昔ながらの厚焼卵を実演で作るお店「おびの茶屋」がある。
店主の久島(きゅうしま)佳朗さん(68)によると、厚焼卵は、飫肥地区の家庭で正月やお祝いの時につくられてきた。記録がないのではっきりしたことは不明だが、江戸時代後期ごろに登場したとみられるという。
独特だというその卵焼きは、どうつくるのか。
店では朝から七輪に火をおこす。その上にはフライパンではなく「鍋」。銅製で、18センチ四方、深さ6センチの特注品だ。
この鍋に、きれいに溶かした20個分の卵を投入する。調味料は砂糖とみりん、塩。前夜から仕込んでなじませてある。
始めたら1時間つきっきり
鍋のふたの上にも炭を置き…
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