池袋暴走遺族に脅迫容疑の少女「悩みあった」 子どもの加害防ぐには
メールで誹謗(ひぼう)中傷したり脅したりしたとして、未成年が摘発されるケースが相次いで明らかになっている。先月、脅迫容疑などで書類送検された中学生は動機に人間関係の悩みを挙げ、相談先を求めていたという。専門家は、どの世代でもネットリテラシーは浸透していないと指摘しつつ、子どもたちを信頼できる相談先につなげる重要性も訴える。
警視庁は11月28日、池袋暴走事故で妻子を亡くした男性(38)に対して殺害を予告するメールを送ったなどとして、中学3年の女子生徒を脅迫容疑などで書類送検した。面識はなく、「完全に金目当て」などと中傷する内容も書き込んだという。
ほかにもネット掲示板で在日コリアンの女性を侮辱したとして、神奈川県警が9月に10代の少年を侮辱容疑で書類送検する事件などがあった。
「ストレスどう処理するか知って」
情報リテラシー教育に詳しい慶応大大学院KMD研究所の花田経子所員によると、多くの学校がSNS関連のいじめ対策に力を入れており、被害者にも加害者にもならない「人を傷つけない」発信を教えている。ただ誹謗中傷は子どもだけの問題ではなく、「当然守られるべきネットリテラシーは、全世代で浸透していない」と指摘する。
誹謗中傷をさせないためには「自分が抱えたストレスを言語化し、どう処理したらいいのか知るのが一番」。「周りの大人が自分の感情との向き合い方を教える必要がある」という。秘密を守ってくれる相談先があることを日頃から伝えるのも有効だという。
女子生徒は警視庁の調べに対し、人間関係のトラブルを抱えており、メールを送れば「警察が動き、悩み相談の場所を教えてくれると思った」と説明したという。子どもの相談を受け付ける団体は複数あるものの、その存在が伝わっていない可能性もある。
■匿名での相談も受け付け…