「頑張ってるね」涙が出た産後ケア 利用率10%、自治体間の差も

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大下美倫
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 出産後の母親が、心身のケアや育児サポートを受けられる「産後ケア」。多くの自治体で導入が進むが、利用率はまだ高くなく、広く浸透するには課題が多い。

 9月下旬。福岡市東区の真田産婦人科麻酔科クリニックで、夏に長男を出産した和田満瑠(みちる)さん(30)が、7回目の産後ケアを受けていた。

 生後3カ月の武瑠(たける)くんを保育士がみてくれて、和田さんは、子どもの泣き声が聞こえない部屋のベッドの上で一日ごろごろして過ごした。

 温かい昼食やおやつを楽しみ、肩や手のマッサージもしてもらった。普段のバスタイムはシャワーを5分ほど浴びるだけだが、時間を気にせずに体を洗うことができた。

泣きやまない、寝てくれない…募るイライラ

 武瑠くんが生後まもない頃、1時間おきに授乳やおむつの交換が必要で、手探りの中で寝不足が続いた。「なんで泣きやんでくれないの」「なんで寝てくれないの」。武瑠くんにも夫にも気持ちをぶつけたくなった。

 「自分がうまく処理できない…

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この記事を書いた人
大下美倫
西部報道センター|福岡県政担当
専門・関心分野
公共、社会への参加、ジェンダー