【そもそも解説】30年で「原則公開」の外交文書、「墨塗り」も

有料記事そもそも解説

鈴木峻 編集委員・藤田直央
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 外交記録が26日に公開されました。外務省が保管している戦後日本外交の文書から歴史的に重要だと考えるものを選び、毎年12月に公開します。制度について解説します。

 Q 今回公開された文書とは。

 A 1993年の出来事を記録した計11ファイル、約4400ページ。コメ限定輸入を決めたガット(関税貿易一般協定)の多国間交渉ウルグアイ・ラウンド(UR)への対応や、東京で開かれた主要7カ国首脳会議G7サミット)などに関するものだ。巨額の貿易黒字を抱える日本の動向が注目されていた時代で、日米が激しくつばぜり合いをする首脳会談の記録もある。北朝鮮の核開発をめぐるやりとりを記した文書も含まれている。

 Q 公開対象の文書はどのように決まるのか。

 A 日本の外交官が作ったり入手したりしてから30年経った文書が毎年、外務省幹部や外部有識者による外交記録公開推進委員会で検討対象になる。この「30年ルール」は欧米にならったもので、1976年に戦後分の外交記録の公開を始めた頃から続く。

民主党政権下で「30年ルール」明文化

 外務省ではかつて、公開する…

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この記事を書いた人
鈴木峻
国際報道部
専門・関心分野
政治、戦争、近代史、教育、貧困問題
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史