第1回店員が私のうわさを…22歳で統合失調症 「答え」求め夜道で叫んだ

有料記事統合失調症、その先へ

松本千聖
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 ささいなことが、異変の始まりだった。

 和歌山県に住むHimacoさん(30)は、栄養士として働いていた2017年の秋、眠れなくなった。22歳の時だった。

 子どもの頃、少し繊細な性格で、友達の輪から浮きやすく、いじめに遭ったり、先生に嫌われたりした。

 心の過敏さは大人になっても続き、どうすれば克服できるのか悩んでいた。あのときこうすれば、ああすれば……。昔を思い出し、日記に書き出すと、頭の中がどんどんさえ、「思考」がわいてくる。

 気づけば、眠ることも食べることも忘れていた。次第に周囲の音や話し声が頭に飛び込んでくるようになった。

 コンビニに入れば、「私のことをうわさしているんだ」と店員どうしの会話が気になり、様々なことが頭に浮かんだ。

 道行く人の視線も気になった。「監視されてる!」

 そうした思考には、いくつかのストーリーがあった。被害者のように感じる時もあれば、偉くなった気分になる時、周りの行動がおかしくてたまらない時……。世界がひっくり返ったようだった。

「この薬が助けてくれるのか」 祈る気持ちで

 この状況は何なのか。混乱し…

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この記事を書いた人
松本千聖
くらし報道部
専門・関心分野
がん、子どもや女性の健康、子育て