高速化の箱根駅伝、上位校の分析は? 「長い手足」と「脳内改革」
第101回の「新世紀」に入った今年の箱根駅伝では、学生長距離界の「高速化」を表す結果がはっきりと現れた。
際立ったのはエースが集まる2区(23・1キロ)だ。日本選手2人を含む3選手が区間新記録をマークした。「最強留学生」と言われたイェゴン・ビンセント(当時東京国際大)が2021年に樹立した記録を上回った。今回走った21人のうち、15人が1時間5~7分台。27年前に2区を走った駒大・藤田敦史監督は「私、8分台で区間2位でしたから。考えられないです」。マラソンの元日本記録保持者も驚く衝撃の結果だった。
今大会は10区間で計6人が従来の区間記録を更新した。総合優勝の青学大は大会新。11位でぎりぎりシード権を逃した順大の総合記録は、17年や18年、21年の優勝記録を上回る。全体的なレベルの高騰は明らかだ。
駅伝の高速化は、個人のトラック種目の成長と大きく関係している。今大会のエントリー選手のうち、1万メートルを27分台で走るのは前回大会のほぼ倍の20人。27分台は近年まで、年間に数人しかいない学生トップレベルの証しだった。上位クラスと言える28分台と合わせた人数は176人。エントリー選手の半数を上回った。
トラックの記録が結果に直結したのは往路2位の中大だ。エントリーした16人のうち、上位10人の平均は全体トップの28分15秒62。今年度、中大として初の27分台が一気に3人も誕生した。27分台の3選手を1~3区に並べ、5区の途中までトップを独走した。1区の吉居駿恭(3年)と3区の本間颯(2年)が区間賞をつかんだ。
かねて、将来的な世界大会での活躍を見据え、学生時代はスピード強化が重要だと考えてきた藤原正和監督。20キロの長距離を走る箱根駅伝との両立を試行錯誤してきた。
中大「トラックの生かし方が見えた」
今回の結果を受け、「トラッ…
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