穏やかな海に潜む「リスク」専門家が指摘 80トン漁船はなぜ転覆?

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小川聡仁
【動画】鹿島港沖で漁船が転覆=飯野祐平撮影
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 6日未明に茨城沖であった漁船転覆は、乗員20人のうち、2人の死亡が確認され、3人が行方不明となっている。事故の背景について、東海大学海洋学部海洋理工学科の山田吉彦教授(海洋政策)に聞いた。

豊漁が続くイワシ 取れすぎる可能性

 波も風もない穏やかな海だったようだが、証言もある通り、網にかかったイワシの量が多すぎたのであれば、80トンの漁船がバランスを崩し、転覆した可能性がある。網に入りすぎてバランスを崩す例は時々あるが、完全に沈没するのは異例だ。

 イワシは20年前後のペースで豊漁と不漁が繰り返され、ここ数年は豊漁が続く。大型魚に追われた時には、密集することで身を守る生態もあり、これまでの経験以上に取れすぎる可能性はある。

 漁船には魚群探知のソナーも搭載しているが、多くが色で判別するもので、「大きな群れがいる」程度のことしか分からないだろう。経験が物を言う部分もある。

海が荒れていれば慎重になるが

 穏やかな海こそ、「取れすぎ…

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この記事を書いた人
小川聡仁
ネットワーク報道本部
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人口減少、法律、経済、震災、商品