第5回「岸田ショック」新NISAの導火線に 分配偏重イメージ払拭はかる

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堀篭俊材 東谷晃平
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 昨年11月26日、久しぶりに首相官邸に姿をみせたのは、岸田文雄氏だった。首相を退任してから、2カ月近くが経っていた。

 自らが4日前に立ち上げた「資産運用立国議連」の提言書を、石破茂首相に手渡すためだ。記者団に囲まれた岸田氏は、約3年にわたる政権運営の「成果」をこう強調した。

 「貯蓄から投資へというかけ声は何十年と続いたが、日本では動かなかった。ようやく、新NISA(少額投資非課税制度)などで具体化してきた」

 個人の少額投資を非課税にする新NISAは1年前にスタート。今や2500万口座を超える。個人マネーが株式市場に流れ込む新たなきっかけをつくった。

 だが3年余り前、首相になったばかりの岸田氏は厳しい試練にさらされていた。揺さぶったのは市場だった。

政権発足から株価続落

 「新しい資本主義」を掲げた…

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