津波避難ビルの施設、避難者受け入れ拒む 宮崎・延岡

星乃勇介
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 13日夜に起きた日向灘を震源とする最大震度5弱の地震の際、津波避難ビルに指定されている宮崎県延岡市の温浴施設が避難者の受け入れを拒んでいたことがわかった。施設側が15日、明らかにした。

 この施設は、隣にある清掃工場の余熱を利用した大浴場やプールがある第三セクター「ヘルストピア延岡」(社長・読谷山洋司市長)。海岸から約420メートルの位置にあり、周辺に高台がないことから、3~4階が津波時の緊急避難場所になっている。

 施設側の説明では、当日は午後9時に営業を終了。スタッフ4人が後片付けをしている最中に地震が起き、津波注意報が出た。館内の点検や掃除を済ませ、帰ろうとしていた同10時前、犬1匹を連れた男女2人が「避難に来た」と言って従業員用の入り口から入ってきた。スタッフは「市から(受け入れの)要請がない」と拒絶。押し問答になり、2人は立ち去ったという。

 山下哲支配人は「対応マニュアルが不備で、来た人には申し訳ない。受け入れた上で、市に聞くべきだった」と陳謝した。市危機管理課は「避難場所である以上、入れてほしかった」として、各施設に改めて注意を促すという。

 同市では2024年8月の日向灘地震で津波注意報が出た際も、避難タワーに住民が入れず、一時パニックになった。

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この記事を書いた人
星乃勇介
宮崎総局|延岡駐在
専門・関心分野
防災・不登校・人口減・公共交通・お産