日枝氏37年君臨のフジ 異例の統治構造、カメラ追い出した末の窮地

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田玉恵美
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記者コラム 「多事奏論」 オピニオン編集部・田玉恵美

 注目された17日のフジテレビの記者会見で、ひとつの質疑が目にとまった。

 今回の件について日枝氏に相談しているか。そう聞いた記者に対して、港浩一社長(72)はこう答えた。

 「お答えは控えさせてください」

 社長や会長を歴任した日枝久氏(87)はいま、フジと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)両社で取締役相談役を務める。

 元トップとはいえ、もはや代表権を持つわけでもない人物だ。

 今どき大手企業の不祥事にかかわる会見で、こうしたやりとりが交わされるのは異例だろう。

 1988年に50歳で初めての生え抜き社長になって以来、日枝氏は37年にわたりフジに君臨してきた。フジHDを売上高5664億円のリーディングカンパニーに押し上げた立役者でもある。

 そしてその同社が今、タレントの中居正広氏が起こしたトラブルに端を発して、大きな逆風にさらされている。

 港社長の責任は重いし、今回の一連の判断に日枝氏が関わっているかは明らかではない。

 とはいえ、この顚末(てんまつ)はフジ特有の統治構造と無縁なのだろうか。

いまも影響力

 「事実上のトップに物申せる…

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2025年1月25日2時14分 投稿
    【視点】

     フジテレビ問題の論点が、中居正広氏が起こしたトラブルにフジテレビ社員の関与があったか否かについての隠蔽疑惑から、この会社のガバナンスに関する問題にシフトし始めています。代表権のない日枝久氏が会社の人事や経営に絶大な影響を持っている現状が、

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    伊藤昌亮
    (成蹊大学文学部現代社会学科教授)
    2025年1月25日6時0分 投稿
    【視点】

    フジテレビのガバナンスをめぐる問題には歴史的な背景があります。創設者の鹿内信隆氏とその一族の支配を断ち切るべく、1988年に社長になった日枝氏は株式上場を目指し、当時の大株主に働きかけますが、その過程で仕手筋の抗争に巻き込まれ、右翼団体のタ

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