選択的夫婦別姓、自民が3年ぶりに議論再開 見通せない意見集約
鈴木春香 岡林佐和
自民党は18日、選択的夫婦別姓制度についての議論を3年ぶりに再開した。早期導入を求める経団連などの要請に応じた格好だが、党内では「伝統的家族観」を重視する議員らの反対論は根強い。9月に総裁選を控えていることも重なり、意見集約の見通しは立っていない。
同日、自民党本部で開かれた「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム」(WT)の会合で、座長の逢沢一郎衆院議員は「それぞれの家族観、理想とする国のあるべき姿に基づく意見があるが、熟議を重ねて一歩ずつ前に進めたい」と呼びかけた。
法制審議会(法相の諮問機関)は1996年に選択的夫婦別姓の導入を答申。最高裁は2015年と21年、夫婦は同姓とする民法の規定は合憲との判断を示しつつ、国会での議論を求めた。
しかし、自民内では「家族の一体感が失われる」「旧姓の通称使用の拡大で対処すべきだ」といった意見も多く、選択的夫婦別姓導入をめぐる党内議論が停滞してきた経緯がある。
それがここに来て議論再開に踏み切ったのは、次期衆院選などをにらみ経済界の要請を無視できない事情も影響している。
今年6月、経団連が政府に選…