米大統領選から撤退を表明したバイデン大統領は、新型コロナ禍からの回復やインフラ整備、次世代産業の育成など、経済分野で足跡を残した。一方で、巨額の財政出動は、激しい物価高(インフレ)を助長した面がある。米国民の大半はバイデン氏の経済政策を高く評価しておらず、実績を十分に伝えきれないままでの撤退となる。
バイデン氏は21日、撤退を表明した声明で「100年に1度のパンデミックと、大恐慌以来の経済危機を、我々は共に乗り越えた」と米国民に語りかけた。
コロナ禍が直撃したトランプ前政権下で、失業率は2020年4月に過去最悪の14%台を記録するなど、米国経済は大荒れだった。2021年1月に就任したバイデン氏は、現金給付を含む経済再生プランを発表。3月、1.9兆ドル(当時の為替レートで約200兆円)にのぼるコロナ対策法を成立させた。
このころ、バイデン氏は「経済学者の間で『財政支出をしてもしすぎることはない』との圧倒的合意がある」と語り、財政出動を正当化している。トランプ前政権時代に巨額のコロナ経済対策が打たれていたが、更なる支出に動いたのはなぜか。
バイデン氏が教訓としたのは…