A.歌の世界をつくり上げるのは、音声です。同じようなフレーズが繰り返され、そこに少しずつ変化が加わり、転じて大きく展開して納まります(元に戻って終わることもあります)。およそ3分間の世界、そこでは音の流れへの完璧な記憶力が必要です。
歌詞を忘れるのは、ことばだけで記憶しているからです。ことばを忘れても、歌は口ずさめるというくらい、本来、音楽は深く私たちの中に入っていくものです。
徹底して記憶するべきなのは、歌詞よりも音の流れです。その流れをメロディで覚えるのでなく、伝えたい心を歌詞から読み込んでおいて、歌の流れに乗せていきます。そうして展開や構成で聞くことができてくるのです。詞のストーリーでなく、曲の組み立てで聞く「耳」を養うのです。瞬時に声で動かしてみることです。(♭)