アマテラスの暗号
”アマテラスの暗号” この本、面白かった。エンタメ的にサクサク読めるミステリー小説になっている。が、それでいて歴史的史料や背景がキッチリしている。単なる謎解き小説としてだけでなく、興味深く一気読みした。田中英道先生が考古学観点などから御著書などでご説明されていて、イスラエルの学会からも評価されているという古代日本とイスラエルの失われた十支族との興味深い関係、ダ・ヴィンチ・コードばりに謎解きをしていき次第にそれに繋がっていく。
”アマテラスの暗号”に、天照大神は男性だったのでは!?と一文があったのだが、実は私も天照大神は男性だと思っている派だ。
祇園祭の山鉾の一つ岩戸山には、天照大神の人形が御神体として飾られているが、それが男性の姿をしていることは有名だ。この山鉾岩戸山は、天明の大火で焼失してしまったそうだが、それ以前の姿のまま天照大神を男性の神の姿のまま復元している。
また、平安時代の公卿、儒学者、歌人であった大江匡房氏は、”江家次第” で、伊勢神宮に奉納する天照大神の装束一式が男性用であることから、天照大神は男性である、と記している。
また、奈良県の長谷寺に祀られている室町時代の作品、雨宝童子立像、正式名金剛赤精善神雨宝童子と呼ばれる天照大神の像が祀られてあるが、こちらは少年の姿の像である。
そしてさらに、江戸時代の仏師であった円空も男性の姿の天照大神の塑像を制作しているし、江戸時代に流行った地震除けの御守には、男性の姿の天照大神が描かれているものがある。
さて、文化的に遅れた民族でありおバカな我々の祖先古代日本人は、長らく文字を持たず、中国様から漢字の存在を教えてもらいようやっと文字という物とであったと、学校で叩き込まれる。が、江戸時代の国学者平田篤胤氏は、日本各地に散在していた13種類の神代文字(漢字伝来以前の日本で使用された文字) を蒐集、分類、整理している。平田篤胤曰く、”天名地鎮 ,ヲシテ文字(=ホツマ文字) ,カタカムナ文字,サンカ文字 ,豊国文字 ,北海道異体文字 ,筑紫文字 ,甲骨文字 ,阿比留草文字 ,琉球古字 ,阿比留文字 ,阿波文字 ,出雲文字 ,対馬文字、とこれだけの文字が中国の漢字伝来以前に既に日本に存在していたという。
でもなぜか、日本では、漢字伝来以前の古来から文字が使われていたことを否定するのに躍起になっている人たちが昔から存在している。なぜだろう?? ヲシテ文字(=ホツマ文字)を使った神札が、数自体は少ないものの東北から九州にかけての神社で発行されていた旨を以前読んだこともある。
さて、偽書だーーーー! と言う執拗な声も高いヲシテ文字(=ホツマ文字)で書かれたホツマツタヱ、これにも天照大神は男性、と記されている。なぜ、男性なのに女性として認識されるようになったのかについての推察は、更に話がそれるので書くのを控えるが、ホツマツタヱは、1章から28章を初代神武天皇の御世に倭大物主櫛甕魂命が記し、29章から40章を10代崇神天皇,11代垂仁天皇の御世に倭大物主櫛甕魂命の末裔の大田田根子が記した。日本列島に我々の祖先が住み始めた頃(縄文時代もしくはそれ以前)から12代景行天皇までの日本の歴史が記述されている。
ヲシテ文字で書かれ発見されている文献には、ホツマツタヱ、ミカサフミ(全巻は未発見で約2割しか発見されていないが1万文字を超える)、フトマニ(皇室の伝統的精神を示したカクミハタの内発見された一部128首の短歌) が発見されている。確か。
後半部分を大田田根子が記したのちホツマツタヱは、その流れをくむ井保家に伝えられ、江戸時代に倭大物主櫛甕魂命78世の子孫である和仁估(三輪)容聡の手に渡ったが後継がいなかったので滋賀県高島市の三尾神社(田中神社に合祀された)に奉納されたという。
さらに、滋賀県高島市の日吉神社からは、1775年に和仁估容聰がヲシテ文字(=ホツマ文字)に漢訳をつけた秀真伝(ホツマツタヱ)の写本が発見されている。
古事記や日本書紀はホツマツタヱを原書として書かれた物、という説がある。日本神話とかとんでもねぇ話だなっとドン引きしかしないし、古事記や日本書紀もなんだかなぁって感じてしまうのだが、ホツマツタヱを読むと、なんかホンワカする。国之常立なんかは住居建築やクリなどの植物栽培のノウハウを日本列島居住者たちに教え自然に慕われリーダーとなっていった。天照大神の妻だろうと思われる大祓詞にも名が登場する瀬織津姫。彼女の虫払えの話のくだりなども、天皇家が武力でそのあたりを鎮圧平定していったのではなく、賢くそして不思議な力があり周囲から頼られそして問題解決をし感謝されていたんだなぁと感心する。
文化的に遅れた民族でありおバカな我々の祖先古代日本人は、長らく稲作など夢のまた夢、朝鮮半島様から稲作などのノウハウを教えてもらいようやっと安定的な食糧需給ができるようになった、と学校で叩き込まれる。が、7代アマカミに選ばれたイサナギ・イサナミは(畑で栽培した稲と水田で栽培した稲は収穫量に4倍の差があるという) 日本列島に水田耕技術を教えて回った。まぁ食料が安定してくると労働をさぼる人やなまけて人が働いて得たものを強奪する者などが出現してしまいそれを抑え込むために武力が必要になった等を読むと、偉そうに威張り腐って暴力使ってという力による支配がはじまりではなかったんだなぁと。
中国様から漢字をお教えいただいた以前から日本列島に存在したといわれる神代文字で書かれたホツマツタヱを読むと、皇室なんちゅうもんいらんだろ!って思ってしまう静かな怒りが瓦解するのを感じる。しかし、その子孫が必ずしもそのように素晴らしいとは言えないのも事実なので手放しに無条件に今の皇族と呼ばれる方々を崇拝尊敬する気にはとてもなれないが、少なくとも最初は威張り腐り武力で好き放題し自分は神だー!と鎮圧平定していったのではない、というのは固まった氷山を溶かす力がある。
第2代綏靖天皇から第9代開化天皇までを欠史八代と言われているが、ホツマツタヱにはその欠史八代のころについても短いもののなかなかまともに書かれてある。
”アマテラスの暗号”の話から、ちょっとづつ話がずれてきてしまった気がするが、己のルーツを、日本人のルーツを知りたい、と思っている方には、アマテラスの暗号はおすすめの一冊。て、いうか、全日本人必読書じゃないかと我思う。これが正しい歴史、とかは知らないけれども少なくとも考えるきっかけになる。
神武東征だとか国譲りの神話とか、なにかと腹立たしい事が多い日本神話だが、”アマテラスの暗号”を読むと、ん?って感じで怒りが消える、考えるきっかけになる。神の字がつく天皇について、そして何故、我々日本人をヤマト民族というのか等々、エンタメ調で書かれてあるので一気読みできる。面白いよ~♪ Kindle Unlimited 会員なら今なら無料で読めるのも魅力☆彡
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