最近、食料供給困難事態対策法に基づく「配給制」の可能性が取り沙汰されています。有事の際に備えること自体は確かに重要ですが、その前に食料自給率を向上させる努力を怠ったまま、配給制の法整備だけを進めるのは本末転倒だと感じます。
日本の食料自給率は驚くほど低く、さらに肥料のほぼ100%を輸入に依存している現状では、肥料の供給が途絶えれば食糧生産が立ち行かなくなることは明らかです。もちろん、江戸時代のように糞尿を肥料として利用するような工夫で一時的に対処できるかもしれませんが、それだけで1億人以上の人口をまかなえるとは到底思えません。
現に、今年に入ってお米のDI値(需要動向指数)は過去最高を更新し、価格指数も同様に記録的な値を示しています。これだけ食料の価格が高騰する中で、配給制が必要とされる日が来るのも遠い未来ではないかもしれません。
仮に日本国内で食料不足が深刻化し、配給制が導入されれば、それは確かに助かる人々も多いでしょう。たとえば、生活に困窮している人々にとって、「おにぎりが食べられる」という現実は天からの恵みのように思えるかもしれません。しかし、過去の事例を思い返すと、不安を感じずにはいられません。
以前、コロたんに罹患し隔離された人々に配給された食料の写真を見たことがあります。そこに映っていたのは、加工食品だらけの栄養バランスを欠いた食事。体調を崩している人が食べるには適さないどころか、むしろ症状を悪化させかねないものでした。これが「食料配給」として標準的に提供されるのだとしたら、食に対して意識を高く持つ私(テヘッ)には到底受け入れられないものです。
結局のところ、配給制が救世主になるかどうかは、その中身と準備次第です。しかし、それ以前に根本的な問題として、「なぜ日本政府は食料自給率を上げる努力をしないのか?」という疑問が残ります。日本国内で食料を自給自足できるようにする法整備を進めるほうが、はるかに持続可能で、国民を守る真の施策と言えるはずです。
この無策さは、まるで国民を見殺しにするかのような無関心さを感じさせます。一体、私たちの命や健康をどう考えているのでしょうか?政府の怠慢により、将来の食料危機が現実のものとなれば、私たちが受ける被害は計り知れません。
配給制と聞いて思い浮かぶのは、戦後の日本で大盛況だったという闇市場の存在です。配給制が敷かれ、多くの人々が食糧を求めて並ぶ一方で、闇市場にはヤミ米や生活物資があふれ、その活況ぶりは驚くべきものでした。しかし、ここで一つの根本的な疑問が浮かびます。「そもそも、闇市場で売られていた物資はどこから来たのか?」
戦後の混乱期には、国や地方自治体が管理していた物資が途中で横流しされるケースが多々ありました。物資の管理を担う役人や流通業者の一部が、自分たちの利益のために闇市場へ流す行為に手を染めていたのです。背景には、当時の経済的混乱や賄賂の存在がありました。賄賂や裏金による利益の取り合いは、現代でもささやかれる話ですが、戦後の混乱期にはそれがさらに顕著だったと言えるでしょう。
また、農家の中には政府に収穫物を全て申告せず、一部を「隠匿」していた例もありました。彼らは、政府の定めた価格ではなく、闇市場で高値で売ることで現金収入を得ていたのです。表向きには公平な配給が行われているように見えても、裏では金銭や権力によって物資が動かされる構図が存在していました。
さらに、撤退した日本軍が残した倉庫や陣地には、大量の軍需物資や食糧が保管されていました。一部の軍関係者や管理者がこれらを横流しし、闇市場で売却して利益を得ていたことも記録に残っています。缶詰や衣料品、軍用工具など、実に多種多様な物資が取引されていたのです。
港湾地域では密輸も活発に行われていました。海外から持ち込まれた衣料品や嗜好品は、物資が不足していた日本にとって非常に高い価値を持ちました。密輸品が闇市場を潤していたことは、戦後の日本の経済的現実を物語っています。
そして、占領期には、アメリカ軍の駐留も闇市場の物資供給源となりました。アメリカ兵が支給品や余剰物資を日本人に売却し、それらが闇市場に流れ込むという構図がありました。チョコレートやタバコ、缶詰といったアメリカ製品は、日本人にとって憧れの品であり、闇市場で特に人気を集めたのです。
こうして見てみると、配給制の裏で闇市場が活発化するのは、人間社会における自然な流れのようにも思えてきます。実際、ドラマ「愛の不時着」に描かれた北朝鮮の闇市場を思い出せば、配給制と闇市場の共存は時代や国境を超えて普遍的なものと言えるのかもしれません。
しかし、ここで話を現代に戻しましょう。食品の値上がりが続き、食卓が直撃されている現在の日本において、政府が配給制の法整備を進める一方で、食料自給率を上げる努力が見られないのはどうなのでしょうか。もし日本が自給率を上げることなく配給制に突入した場合、再び闇市場が活発化するのは想像に難くありません。そして、私たちが求めるのは「面白い歴史の再現」ではなく、持続可能で安心できる未来です。
政府には、まず食料自給率を引き上げ、国内生産を支える政策を講じてもらいたいものです。「マジで食品の値上がりが凄くて困ってます!!」という私たち一人ひとりの声が、未来を変える一歩になることを信じて。
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テーマ : 主婦の日常日記
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