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Exit:相場英雄著

exit_相場英雄

「世界中に火種はあるが、一番ヤバいのは日本だ!」
ということで、フィクションということにはなっていますが、総理や日銀総裁など著名人の名前を替えながらほぼ2019年から2020年にかけての日本の政財界の実態を暴くストーリーとなっています。
2019年末から発生した新型コロナの話も絡めながら、ゼロ金利政策がもたらす今後の脅威であったり、正しいことを本気でやろうとしてもそのことがかえって日本を潰してしまうことのやりきれなさ。。
読んでいて、どうにもならないもどかしさを感じさせられました。
本当に、日本は大丈夫なんだろうかと。。

月刊誌「言論構想」で経済分野を担当することになった元営業マン・池内貴弘は、地方銀行に勤める元・恋人が東京に営業に来ている事情を調べるうち、地方銀行の苦境、さらにこの国が、もはや「ノー・イグジット(出口なし)」とされる未曾有の危機にあることを知る。
金融業界の裏と表を知りつくした金融コンサルタント、古賀遼。バブル崩壊後、不良債権を抱える企業や金融機関の延命に暗躍した男は、今なお、政権の中枢から頼られる存在だった。
そして池内の元・恋人もまた、特殊な事情を抱えて古賀の元を訪ねていた。
やがて出会う古賀と池内。日本経済が抱える闇について、池内に明かす古賀。一方で、古賀が伝説のフィクサーだと知った池内は、古賀の取材に動く。
そんな中、日銀内の不倫スキャンダルが報道される。その報道はやがて、金融業界はもとより政界をも巻き込んでいく。
テレビ・新聞を見ているだけでは分からない、あまりにも深刻な日本の財政危機。エンタテインメントでありながら、日本の危機がリアルに伝わる、
まさに金融業界を取材した著者の本領が存分に発揮された小説。
日経ビジネス連載時から話題となった作品、待望の書籍化。

果たして日本の財政に出口(イグジット)はあるのか!
(本書紹介文より)

相場さんの作品は、以前「震える牛」を読んだことがあり、その際にもとことんまで踏み込んでいく取材力に目を瞠りましたが、本作も同様に実際にこんなやり取りがあったんではないかというくらいリアリティがあって途中からどんどん惹き込まれていきました!
膨大に膨らみ続ける国の借金の話で、アナリストがよく指摘している内容ではありますが、そこに実際に存在しているのでは?と、思わせてくれるフィクサーが登場したり、日銀内の不倫スキャンダルのくだりなんかは、現実世界で、黒○検事長の賭けマージャンなんかも発覚するくらいなんで、”あってもおかしくない話”と感じられ、肉付けとしてとても面白かったです。

私が思うに、今回のコロナ禍でとんでもなく支出され続けている財政措置について、この分の借金を棒引きにすることってできないんでしょうか。
本来であれば、その国だけの話の場合、お金をじゃぶじゃぶ発行するとその国の貨幣価値が下がりハイパーインフレになってしまいますが、今回の場合、全世界で大きな財政措置が取られているわけで、全世界共通の基準で全部の国の借金を各国合意の上で棒引きにすれば、インフレにもならず済むような気がするんですが、どうなんでしょうか。。
経済に疎い素人考えですが、そうでもしないとまともに借金に加算されてしまうと本当に近い将来、ちょっとしたきっかけで国が破綻してもおかしくない気がします。

膨大な負債を、ただでさえ出生率が減少してきている孫子の代に背負わせてしまい、責任を痛切に感じますよね。数年後にいただけるであろう年金が減らされても、まあ仕方ないのかなあ、なんて思ってしまいそうです。。

では、そんな誰かに助けを求めたい気持ちを訴えた曲を♪

Brian Eno / David Byrne - Help me somebody


tag : Exit相場英雄BrianEnoDavidByrne

遊佐未森 REMO-MIMO 2021 配信(5/22まで!)

remo-mimo210519.jpg

5/19から配信されていた「REMO-MIMO LIVE」ですが、ちょっとバタバタしてて本日ようやく観ることが出来ました。

楠 均 (Per / Cho)氏、西海 孝 (G / Cho)氏らを迎え、いつもながらのゆったりまったりとしたリモートライブでした。

アルバム「庭」に収録されていた、懐かしくほっこりできる曲”ハモニカ”で幕を開け、”土の話”、”ショコラ”とゆったりした曲が並び、その後、私が大好きな「アカシア」収録曲”風が走る道”と、こちらも初期の代表曲で大好きな日本歌曲風の”月姫”が続きます。彼女のふるさとである仙台の震災直後のことを歌った前向きな曲”欅 ~光りの射す道で~”も選曲いただきとても素敵なセットリストとなりました。

加えて、6月23日発売予定の新作「潮騒」からも3曲披露してくれました。
まずは、”Silent Moon”という曲ですが、以前本ブログでも取り上げたクロ・ペルガグさんみたいなテイストが感じられたりして、新境地開拓といった趣きの楽曲でした。
その次には、CDをそのままかけて”ルイーズと黒猫”という曲が披露されたんですが、ヨーロッパテイストの凛としたワルツ曲で、一度聴いただけでは音程のとりにくい難曲でしたが馴染んでくるととても魅力的な曲になりそうでした。

今回の作品、盟友の外間隆史さんをプロデューサーに迎えかなりチャレンジングなこともやっていそうでとっても楽しみになりました。フィジカルは買わないと決めていましたが、サブスクにはすぐに配信されそうもないので初回限定盤予約しときます!

このリモートライブですが、5/22までやってまーす!
今からでも観れますので是非♪

チケットはコチラから↓

遊佐未森 @ duo MUSIC EXCHANGE

遊佐未森潮騒』アルバムトレーラー動画

You Tube チャンネル始めたそうです!!↓

tag : 遊佐未森REMO-MIMO潮騒

終わりの歌が聴こえる:本城雅人著

終わりの歌が聴こえる

こちらの小説も、前回取り上げた作品同様に掴みはオッケーですよね!

なぜなら、まずは題名から連想できるのが”終わらない歌”という、ザ・ブルーハーツの楽曲です♪
彼らを知っている人でしたら、まずはここに反応してしまいますよね。
私も、ここでビクビクッっと来てしまいました。
で、内容はと言いますと、案の定ロックバンドのお話でして、迷わず手に取りました!

19年前に世間を騒がせた、ある天才ギタリストの「伝説の死」。
事故死か、殺人か、それとも――?
当時の関係者を回り、執念の捜査を進める二人の刑事たち。
音、絆、女、薬……あの日、あの部屋で、何があったのか。
やがて狂騒の真実が白日の下にさらされる!
(電子書籍紹介文より)

ということで、19年前に事故死した天才ギタリストの事件を再捜査する刑事たちと、そのロックバンドの結成前から事件発生までの回想が交互に語られ、背景にある真実が肉付けされつつ進行していきます。

登場するロックバンド「メアリー」にはモデルはないそうですが、なんとなくザ・ビートルズ辺りなのかなあと感じました。強烈な個性のギタリストジョンとベーシストポールが、登場するバンドの中心人物である天才ギタリストベルとヴォーカル保の2人に重なります。或いは、ヴォーカルがベーシストという設定に拘らなければBOØWYなんかも当てはまりそうな気がしました。
そのバンド名の設定にも苦労したらしく、最初の設定ではヘビメタバンドの匂いがしたそうな。。どんなバンド名だったか気になります(笑)

著者の本城さんは、小学校五年のときに生まれて初めて買ったLPレコードが、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」だったらしく、かなり洋楽に精通しているっぽかったです。
例えば、会話の中にジミー・ペイジやキース・リチャーズが登場してきたり、バンドが作ったとされる楽曲”勇敢なミスターゲルドフ”は、ライブエイドを主催したブームタウン・ラッツのボブ・ゲルドフのことだったり、おまけにイエスのクリス・スクワイアが愛用していたと言ってリッケンバッカーのベースまで紹介されたりして、かなりロック通な感じがしました。
他にもまだまだあります。メンバーが薬物使用の際に利用していたホテルが、イーグルスの「ホテルカリフォルニア」のジャケットに写っているようなホテルだったり、果ては、中心人物ベルと保が、クラプトンとジョージの妻との不倫関係から生まれた”いとしのレイラ”に通じるような関係に発展していくところなんかもあって、どんどん惹き込まれていきました。

と、途中までは凄く面白かったんですが、終盤になるまで死の真相に繋がる話が遅々として進まずイライラしてきて、最後のほうには「伝説の死」の真相なんてもうどうでもいいわ、と思うようになってしまいました(><)

全てが明かされる結末も、あと一ひねり欲しかったかなあ。。
音楽関連のストーリーで興味深かっただけに、個人的にはちょっと勿体なかったかな?という感想です。

では、今回はやはりこの曲を♪


tag : 終わりの歌が聴こえる本城雅人ザ・ブルーハーツ終わらない歌

アクティベイター:冲方丁著

アクティベイター

こちらの小説、テンポもよく一気読みでした!

日本上空に突如、中国の最新鋭ステルス爆撃機が飛来した。女性パイロットは無線で「われ亡命を希望す」と表明し、自衛隊機の護衛のもと羽田空港に着陸する。
事情聴取にやってきた警察庁の鶴来は、ヤンと名乗るパイロットから、自身は中国の空軍に所属する軍人であり、ステルス機には核爆弾が搭載されていると衝撃の事実を告げられる──。
誰もが物語世界にグッと身を乗り出さざるを得なくなる、抜群のツカミで『アクティベイター』は幕を開ける。
(小説丸紹介文より)

首都圏全体を人質に取られた状態という展開。。どっかで聞いたことあるような。。
そうです、確か「高校事変Ⅷ」でも核爆弾で宇都宮が壊滅しそうになりましたね。
スケールとしては同等か、或いは現在一番センシティブな対米関係でもある中国も絡んでおり、よりスケール感も現実味もある話題性に富んだ内容でした。

「この亡命作戦は可能だ」と、自衛隊員からのお墨付きもいただいているそうです。

次から次へと状況が変化し、場所もあちこち移動しながらストーリーが展開するのでページをめくる手が止まりませんでした。途中、格闘シーンが多くその描写があまりにも丁寧過ぎる感もありましたが、私的にはどうやって相手とやり合っているかが手に取るようにわかったので、よりのめり込んでいく手助けになって良かったです。

とにかく主人公のアクティベイター(※)である真丈太一が強い!

戦い方を熟知しており、敵が次にどう動くかを察知して先手を打つ。義理の弟で心理的駆け引きの上手い警視正の鶴来誉士郎と、お互いタイプは違うが正義感が強いこの二人が協力して刻々と深刻化していく状況変化に対処していく様は、スリリングで目が離せませんでした!

亡命の真の理由とは?
なぜ核爆弾が搭載されているのか?
外務省や経産省など各省庁の関係者までがそれぞれの思惑で関わってより複雑化する展開の結末はいかに!?

※)アクティベイター:辞書的には活性化するもの、活性剤という意味です。その物自体は変化しないのに、状況や周囲にいる人たちを変化させる存在ですね。洗剤に使われている界面活性剤は、本来混じり合わないはずの油と水を混ぜ合わせて、汚れを落とす。詳しく言うとネタバレになりますが、真丈の仕事もこれに近いものです。と、冲方さんがおっしゃられていました。

では、スパイものにちなんで、ブルー・ロンド・ア・ラ・タークの” I Spy For The FBI”


tag : アクティベイター冲方丁ブルー・ロンド・ア・ラ・ターク

プリンス(Prince)

prince_controversy.jpg

プリンスが亡くなられてもう5年にもなりますが、そう言えば本ブログで一度も取り上げていませんでした。
2016年4月にフェンタニル(オピオイド系鎮痛剤)の過剰摂取により逝去したプリンス氏でしたが、米国では、こうした鎮痛剤の過剰摂取が55歳以下の死因のトップとなっているそうで、なにかと薬に頼りがちな現代において、改めて気を付けなければいけませんね。。
私も、最近左腕が痛くて、多分首から来ているものだと思うんですが、夜寝るとき枕の角度によっては痛くて眠れないことがあります。
ちゃんと治すには、リスクの高い手術をしなければいけないらしく、それは嫌なので、そのうちに鎮痛剤を使うようになるかなーと、ちょっと心配してて、その際には使い過ぎに注意しようと思ってます。

では、今回取り上げたアルバム「Controversy」(1981年)についてです。
私がプリンスを初めて聴いたのがこの4枚目のアルバム(邦題)「戦慄の貴公子」でした。
彼への印象は、ヴィジュアルのインパクトが強すぎて、あのブーメランパンツ一丁のキモイ写真や口髭を生やした嫌らしい口元、とにかく生理的に受け入れ難い存在でした。
しかしながら、当時愛読していたミュージックマガジンでは絶賛しており、とりあえず聴くだけ聴いてみようということで手に取ったのが本作でした。

で、聴いてみたところ、まあカッコ良かったです!
ノリが良くてファンキーで、おまけにかなりセクシーで。。
収録曲の”Do Me,Baby”は、当時のディスコでのチークタイムの定番曲としてよく使われていましたが、まさに情事の真っ最中の声が収録されており、まだまだウブだった私には刺激が強すぎたことを記憶しております(^^!)

作詞・作曲・歌唱・演奏・プロデュースの全てを自ら行えるマルチな才能の彼でしたが、特筆すべきはステージでのダンスパフォーマンスでしたでしょうか。。
軽快なリズムに合わせて踊るジェームス・ブラウンばりの。。というか、彼を軽く超えてしまっているダンスはキレキレで、他者では真似することのできないほどのパフォーマンス! 根っからのエンターテイナーでした!

このアルバムは楽曲のほうも素晴らしかったので、是非聴いてみてください!
数曲貼り付けときます♪

”Sexuality”


”Do Me, Baby”

スタジオ録音の後半がヤバいです(^^!)

”Private Joy”

tag : Princeプリンス

仮バンド(Kari Band)3

仮バンド-Live at Streaming-

ミュージシャンの皆さんには申し訳ないのですが、サブスク(※)での配信を待って、このたび「-Live At Streaming-」(2021年)をゲットさせていただきましたm(_ _)m
フィジカルは断捨離中につき極力買わないようにしてまして、他の手持ちのCDも現在メルカリにガンガン出品中です!

本作ですが、2020年に行った3回の配信ライブからベストテイクをチョイス、選りすぐりのゲストミュージシャン達(増崎孝司/G、西脇辰弥/Key&Harmonica、ユッコ・ミラー/Sax、岡聡志/G)を迎えたまさにスーパーセッション作品でして、様々な工夫でこだわりぬいた音質も再現出来たらしく評判も上々のようです。

2時間近い大作となっており、全16曲中9曲でゲストミュージシャン達の楽曲も取り上げられ、それぞれの曲でテクニカルな演奏を披露しております。

中でも、西脇辰弥さんが作曲した”愛の重力”が素晴らしかったです。
アニメ声優中島愛さんの曲らしいんですが、私が大好きな吉田美奈子さんが歌い出してもおかしくないようなフュージョン曲で、エンディングナンバーとして輝きを放っていました♪

その他、ブレッカー・ブラザーズのカバー曲”Some Skunk Funk”なんかもあって、オリジナルよりも超速く弾いていてカッコ良かったです♪

モチロン、仮バンドのオリジナル曲も素晴らしく、例の8分の6拍子から途中8分の13拍子に変わるという”Chuku”や、藤岡先生がみんなを間違わせようとして創ったと言われている曲(笑)”Common Time's Logic ”なんかも完璧に再現しています!

では、数曲貼り付けときましたので是非♪


 U-yeah !!!! 【仮BAND with Friends.-Live at Streaming-】


”愛の重力”

超難曲を藤岡先生の演奏で”Common time's Logic” & ”Chuku”


(※)Apple Musicの場合、アーティストへの支払いは1再生辺り0.01円なんだそうです。これはちょっとひどすぎですね。100万回再生のヒット曲でも1万円にしかなりません。
例えば、1日1時間利用し、1曲約4分として15曲。つまり、1ヶ月で450曲聴くとして月額980円(税抜き891円)ユーザーは支払っているので、1曲辺り2.0円支払っていることになります。
原価率を25%とすれば0.5円。レーベル等関係先にその半分持っていかれるとしても0.25円くらいはアーティストに支払われて欲しいものです。原価率もApple Music自体はプラットフォームを作っているだけで大して手間もかからないでしょうからもっと上げられるハズ。
ただ、仮に原価率を2倍の50%にまで上げたとしても、100万回再生で50万円ですからまだまだ足りないですね。
なんでこんな状態でサブスクに皆さん曲を提供してくれるんでしょうか。キング・クリムゾンのようなサブスクに許可を出さないアーティストがもっといてもおかしくないと思うんですが。。
なんか他のからくりがあるんですかねぇ。。

ps.今回ユッコ・ミラーさんを初めて知ったのですが、サックスの音色が艶やかで歌うようにメロディを追いかけて吹かれるので馴染みやすかったです。↓

”【シン・エヴァンゲリオン劇場版:||】「One Last Kiss」:宇多田ヒカル サックスで吹いてみた”

で、宇多田ヒカルさんの曲と言えば、現在放送中のテレビアニメ「不滅のあなたへ」の主題歌”PINK BLOOD”がありますね。
この曲もなかなかいいですし、このアニメも独特の世界観で面白いです!


tag : 仮バンド仮BANDユッコ・ミラー宇多田ヒカル不滅のあなたへ

エンド・オブ・ライフ:佐々涼子著

エンド・オブ・ライフ

とてもいい本に出会えました。
図書館で借りたんですが、読みなおすためにまた借りるかもしれません。

本書は、2013年から2019年まで、筆者が在宅医療で出会った人々を取材し、その姿を描いたノンフィクション作品です。

筆者曰く、「ひとつだけ分かったことがある。それは、誰も死について本当には分からないということだ。ただの概念で、人によって、場合によってそれは異なっているのかもしれない。私は、死にゆく人たちから生を学んだ。」とのこと。

多くの出会いで得た考え方を知ることが出来て、私自身この小説から学べたものは少なくなかったかな、と感じてます。

いくつか例を挙げます。

・がんになったことによって、時間の進み方や、景色の見え方が変わってくる。だから一概に不幸だとは言えないと―

・チベットの子供たちは生まれた時から死ぬための準備をするのだといいます。日本ではそれをやっていないから、標準治療で打つ手がなくなると不安感に耐えられなくなる。
では、どうすればいいのか…

・輪廻についての捉え方についても語っており―

・亡くなりゆく人は、遺される人の人生に影響を与える、とは? などなど…

ギタリストの藤岡幹大さんが亡くなられた後、ツイッターでどなたかが呟かれていたこの言葉が印象に残っています。
「僕が思う本当の死は、皆んなに存在を忘れ去られた時だと思う。僕は藤岡先生を死なせたくない。」

本書の「遺される人の人生に影響を与える」という箇所で、この言葉のことを思い出しました。ファンの思いが伝わってきてジーンときますね。


また、イギリス人医師シシリー・ソンダース氏の「痛み」についての分類も紹介されていました。
彼女曰く、「痛み」は以下の通り、大きく4つに分類されるとのことです。
・身体的な痛み
・精神的な痛み
・社会的な痛み
・そしてスピリチュアルペイン
 →「魂の痛み」「霊的な痛み」→自分の人生の意味はいったい何だったのだろうとか、自分の存在が無に帰すことを想像して絶望してしまうことなどを意味する魂の苦しみのこと

この方は、2005年に亡くなられたんですが、当時から近代医学における緩和医療の重要性を強く提唱しておられ、上記の「痛み」をなるべく取り除き安らかに余生を送ってもらえるような緩和ケアを実践されていたそうです。

「僕の体は年中痛い。地獄ですよ。それでも死ねないなんておかしくありませんか。痛みに耐える意味ってなんですか?」
本文中にある患者の悲痛な叫びです。十数年前のNHK特番で、同じような訴えをしている患者さんを映し出した映像を見た時、このことを自分に置き換えてみて真剣に「終末」について考えさせられたことを記憶しています。
現在は、家族の合意も得ながらモルヒネなどの鎮痛剤を積極的に使ったりもするみたいで、私の父も肺がん治療で治る見込みがなくなった時点でそうしました。最後、私たち家族のことをギリギリ認識できるうちに会えることが出来て良かったです。
私も上記「痛み」の中で一番怖いのは、自分ではコントロールできない「身体的な痛み」かなあと思っています。そろそろ死について真剣に考えていくような年代にも差し掛かってきましたので、いろいろ考えるいいきっかけになりました。

では、「痛み」に絡んでポリスの”King Of Pain”:Sting feat Lady Gaga Ver.

プロフィール

shoji lemieux

Author:shoji lemieux
Yahoo!ブログから引越してきました!
皆さんよろしくお願いします!

音楽では、遊佐未森さんなどの癒し系にワールド系、あとBABYMETALにハマってます♪
作家さんでは、伊坂幸太郎さん、原田マハさん、ダン・ブラウンさん辺りがお気に入りです!

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