iPad用Logic Proユーザガイド
-
- Logic Proとは
- 作業領域
- 機能ボタンを操作する
- 数値を調整する
- iPad用Logic Proで編集を取り消す/やり直す
- Logic Proのサブスクリプションを開始する
- ヘルプを見つける方法
-
- アレンジの概要
-
- リージョンの概要
- リージョンを選択する
- リージョンをカット、コピー、およびペーストする
- リージョンを移動する
- リージョン間のギャップを削除する
- リージョンの再生をディレイする
- リージョンをトリムする
- リージョンをループさせる
- リージョンを繰り返す
- リージョンをミュートする
- リージョンを分割および結合する
- リージョンをストレッチする
- ノートピッチ別にMIDIリージョンを分離する
- リージョンを所定の場所にバウンスする
- オーディオリージョンのゲインを変更する
- トラック領域でリージョンを作成する
- MIDIリージョンをSession Playerリージョンまたはパターンリージョンに変換する
- iPad用Logic ProでMIDIリージョンをSession Playerリージョンで置き換える
- リージョン名を変更する
- リージョンのカラーを変更する
- リージョンを削除する
- オーディオリージョンにフェードを作成する
- Stem Splitterを使ってボーカルや楽器のステムを抽出する
- フェーダーを使ってミキシング機能にアクセスする
- 著作権
iPad用Logic ProのQRSのコントロール
QRSモデルは現在でも、アルゴリズムにもとづくリバーブテクノロジーを大きく発展させた存在として価値を保っています。このモデルは、複雑なアルゴリズムを使用してさまざまな環境の音響特性を正確にシミュレートする、史上初のデジタル残響ユニットの1つでした。
QRSは、さまざまなリバーブエフェクトを作成するための3種類の機能を備えています。
Reverb: この標準的なリバーブエフェクトは、初期反射音とリバーブテイルを含めて部屋の自然な音響を再現し、8つのパラメータによってすべて制御されます。
Freeze: この機能を使用すると、リバーブテイルのスナップショットを取り込み、任意の長さの時間にわたってループさせることができるので、サウンドが部屋に閉じ込められたような効果が得られます。これは、アンビエントなテクスチャやサウンドスケープを作り出すために最適です。
Enhance: 通常のリバーブテイルを作る代わりに、エンハンスは反射音の密な塊を作り出して、ソース信号の鮮やかさと空間的な品質を高めます。この機能を使用してモノラル信号をステレオイメージに変換したり、バイノーラル効果を作り出したりすることもできます。
QRSのメインパラメータ
Quantecロゴ: ロゴをタップしてQuantec Room Simulatorの情報ウインドウを開きます。このウインドウでは、QRSリバーブとYardStickリバーブの発明者と開発についての詳細を説明しています。
リバーブモデルボタン: リバーブモデルとして、QRSまたはYardStickのどちらかを選択します。QRSはオリジナルの古典的なビンテージユニットで、YardStickはQuantecのリバーブテクノロジーを進化させ、最新化したものです。
「Reverb Time」ノブ/フィールド: 「Room Size」コントロールと連動したリバーブ時間を調整します。ノブを囲むリングは、選択された部屋のサイズにもとづくリバーブ時間の範囲を示しています。
「Freeze」ボタン: 「Freeze」ボタンをタップし、リバーブテイルを取り込んで引き延ばします。有機的なサウンドスケープを作り出すのに最適です。取り込まれたオーディオは、「Freeze」のみを経由してルーティングされ、メインリバーブはバイパスします。
「Add」ボタン: タッチして押さえたままにして、リバーブテイルの別の部分を取り込みます。押さえる長さによって、取り込まれて既存のフリーズエフェクトに追加されるオーディオの量が決まります。繰り返すと、サウンドを重ねることができます。
「Clear」ボタン: タップすると、フリーズエフェクトに取り込んだオーディオが消去されます。
「Enhance」ボタン: QRSモデルのエンハンスエフェクトのオン/オフを切り替えます。リバーブテイルを密な反射音の塊で置き換え、空間的な深みを加えます。「Room Size」パラメータを使用してエフェクトを調整します。「Enhance」がオンの場合は、リバーブ時間パラメータが淡色表示され、アクセスできなくなります。
「In」メーター: リバーブエフェクトに送信される入力オーディオ信号のレベルを表示します。これは、信号の強さをモニタリングし、リバーブに送られるソース信号の歪みを防ぐために役立ちます。
「Out」メーター: プラグイン内のすべての信号の結合された出力レベルを表示します。
QRS reverb time multiplier パラメータ
multiplierカーブは、周波数スペクトル全体での部屋のリバープ反応を調整および視覚化するために使用されます。この機能では、反響の多い壁や吸収性の壁がある部屋をシミュレートすることで、明るいリバーブや暗いリバーブを作り出すことができます。
グラフのy軸はリバーブ時間を示します。右側のスケールはリバーブ時間を表し、この値は「Reverb Time」ノブで変更されます。2つのコントロールポイントが、設定されたリバーブ時間を基準とした低周波数(500 Hzより下)と高周波数(1 kHzより上)のリバーブ時間を調整します。左側のスケールはこの係数を示しており、範囲は最大10 xの増加から0.1 xの減少までです。
これらのmultiplierを使用して、リバーブテイルの周波数ごとの反応を制でき、EQのみでは再現できない自然な部屋のリバーブエフェクトを実現できます。
「Low」コントロールポイント/フィールド: 低周波数成分に影響を及ぼす、リバーブ時間に対する乗数を設定します。コントロールポイントをドラッグするか、値フィールド内を上下にドラッグして調整します。
「High」コントロールポイント/フィールド: 高周波数成分に影響を及ぼす、リバーブ時間に対する乗数を設定します。コントロールポイントをドラッグするか、値フィールド内を上下にドラッグして調整します。
QRSのプライマリパラメータ
「Primary」ボタン: よく使うリバーブ設定にアクセスします。
「Room Size」スライダ/フィールド: 部屋の寸法(立方メートル)を1 m³~1,000,000 m³の範囲で設定します。このパラメータを変更すると、「Reverb Time」ノブの範囲も調整されます。
「1st Reflection Delay」スライダ/フィールド: 直接音と初期反射音との時間間隔を調整します。部屋の立体感に影響を与えます。
「Reverb Delay」スライダ/フィールド: 「Reverb Delay」値を増やすと、ソース信号とリバーブの始まりの間にディレイが生じます。このパラメータを使用して、最大200 msのディレイを追加できます。ミックスの立体感とタイミングに影響を与えます。
「Dry Level」スライダ/フィールド: プラグイン出力でのドライ信号のレベルを、初期反射音やリバーブテイルとは独立して設定します。
「1st Reflection Level」スライダ/フィールド: プラグイン出力での初期反射音のレベルを、ドライ信号やリバーブテイルとは独立して設定します。レベルを上げると親密さと存在感が増し、レベルを下げるとよりオープンで広々とした感じになってリバーブに深さが出ます。
「Reverb Level」スライダ: プラグイン出力でのリバーブテイルのレベルを、ドライ信号や初期反射音とは独立して設定します。
QRS secondaryパラメータ
「Secondary」ボタン: 詳細な調整や微調整のオプションがある追加設定にアクセスします。モノラルチャンネルストリップでQuantec Room Simulatorを使用する場合には、このボタンと設定は使用できないことに注意してください。
「1st Reflection Source」ポップアップメニュー: 初期反射音の出力のチャンネル割り当てを設定します。元の順序を維持する(L R)か、左右のチャンネルを入れ替えます(R L)。