河井夫妻、底なしの買収疑惑 コロナ禍で続いた特捜捜査
昨年夏の参院選で地元議員らを買収した疑いが強まったとして、衆院議員の河井克行・前法相(57)と妻の案里・参院議員(46)が公職選挙法違反容疑で逮捕される見通しになった。案里氏陣営による車上運動員への違法報酬疑惑の発覚から7カ月余り。検察当局の捜査は新たな局面を迎え、2人の議員宿舎などには18日早朝から多くの報道陣が詰めかけた。
買収疑惑の発端は、昨年10月30日の週刊文春(電子版)の報道だった。同7月の参院選広島選挙区で初当選した案里氏の陣営が、車上運動員に違法な報酬を支払った疑惑が報じられたのだ。10月31日には克行氏が、就任から2カ月足らずで法相を辞任。疑惑については「私も妻も全くあずかり知らない」と否定した。広島地検は今年1月15日、公選法違反容疑で夫妻の事務所などの家宅捜索に踏み切る。捜索は克行氏の実家にも及んだ。
そして3月3日、広島地検は車上運動員14人に法定上限を超える報酬を支払ったとする公職選挙法違反(買収)容疑で、案里氏の公設秘書の立道(たてみち)浩被告(54)と当時、克行氏の政策秘書だった高谷真介被告(44)らを逮捕した。この事件の捜査の過程で克行氏が広島県議ら地元議員に現金を渡したとの疑惑が浮上し、検察当局は今回の買収疑惑の捜査にかじを切る。
「陣中見舞い」「当選祝い」…