第1回切断・障害…不可解な事象頻発 海底ケーブルを敷く、船乗りの胸騒ぎ

有料記事「帝国の手先」 海底ケーブル

黒田健朗 奈良部健
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 背後に山が連なる長崎港。その岸壁に、白い船が係留されていた。海底ケーブル敷設船「きずな」。NTTグループのNTTワールドエンジニアリングマリンが所有するこの船(全長109メートル、幅20メートル)には、60人が乗り込める。

 はしごをつたって船に上ると、船長の桜井淳(49)が迎えてくれた。小学5年の時にグアム行きの客船に乗り、操舵(そうだ)室や船員の真っ白な制服を見て以来、船乗りを志望してきた。3年前から船長をつとめる。

 この船が敷いたり直したりす…

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この記事を書いた人
黒田健朗
経済部|総務省担当
専門・関心分野
漫画、アニメ、放送
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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年12月24日12時24分 投稿
    【視点】

    海上ではなく海底というように、見えない脅威、見えにくい脅威というのは意外と多い。国際通信のほとんどが経由している海底ケーブルは、海外とつながるために欠かせない存在だ。だとすれば、海底ケーブルは有事の際の攻撃対象だろう。戦争を身近に感じざるを

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    辛酸なめ子
    (漫画家・コラムニスト)
    2024年12月24日12時30分 投稿
    【視点】

     以前、現代アートの展示でトレヴァー・パグレンがスキューバダイビングして撮影した海底ケーブルの写真を見ました。海の底に横たわる黒いケーブルはどこか不穏さを漂わせ、たまたまかもしれませんが周囲に魚の影もなかったです。ケーブルから発せられる電磁

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連載「帝国の手先」 海底ケーブル(全6回)

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