体験と叫びを声に出し、文字に記し、ネットなどあらゆるメディアに公開し発言する事。黙っていては誰しも忘れ去るし、気にもとめなくなり、他人事として誤った歴史を再び歩むだろう。
広島市南区の新井俊一郎さん(88)は、朝日新聞が実施した被爆75年アンケートで「被爆者の体験や思いは、どのようにすれば伝わると思うか」との問いにそう答えた。
広島高等師範学校付属中学(現・広島大付属中)1年だった13歳の夏。米軍が落とした原子爆弾が広島の上空で炸裂(さくれつ)したその瞬間、爆心地から東に20キロ離れた八本松駅(現・広島県東広島市)にいた。学徒動員先の原村(同)から、一時帰省のため広島に向かうところだった。
途中から歩いて広島市内へ…