「親ガチャでなく、国ガチャ」 論争の火付け役が語る世代間ギャップ
「自分の親や家庭環境のせいで、人生が望み通りにいかなくなった」――。そんな見方を表す「親ガチャ」という言葉を巡り、主にネット上で論争が盛り上がっている。賛成、反対どちらであれ、なぜ親ガチャという人生観は多くの人の心に刺さるのか。オンライン記事で今回の論争に火を付けたといわれる社会学者、土井隆義・筑波大学教授に聞いた。
――親ガチャは、1、2年前から言われたSNSスラングと言われますが、最近、ネット上をにぎわせています。早くからこの言葉に着目してきた立場からどう見ますか。
「私のオンライン記事が9月に配信された直後、ツイッターで急激に取り上げられ始めました。実は私は7月にも、北海道新聞にこのテーマのコラムを書いたのですが、これほどの論争には発展しませんでした」
――その差は何でしょう?
「東京以外で発行されている紙媒体である新聞に、ネットを駆使する層はあまり目を通さないからだと思います。ネットに乗って初めて、若者と中高年のあいだの世代間論争のようなことが起きています」
後半では「親ガチャ」に関する世代間ギャップや世代内格差について語り、所得再分配の面では「日本は外れ」と語ります。
――世代間論争ですか…
- 【視点】
社会の問題であるはずのことが、個人の能力や課題に置き換えられてしまう。「親ガチャ」論は、自己責任論のバリエーションとして考えられそうだ。「親ガチャ」ではなく、「国ガチャ」では?という指摘は、そんな問題提起のように読みました。 ただ「私
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