「私は兄のおもちゃだった」 6歳から続いた性暴力、心ズタズタに

有料記事子どもへの性暴力

編集委員・大久保真紀
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 最初の記憶は、小学校に入る前、兄と遊んでいたときのことだ。

 関東地方に暮らす女性(35)は当時6歳。その日は、父は仕事、母は買い物に出かけ、家にいたのは四つ上の兄と2人だけだった。

 兄に誘われて、一緒にかくれんぼをした。押し入れに隠れたが、すぐに見つけられた。

 《見つかっちゃった~》

 やおら兄が押し入れに入ってきた。

 「服を脱いで、裸を見せて」

子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第6部は、子どもたちの間で起こる性暴力について取り上げます。

 大好きだった兄の言葉に《え…

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この記事を書いた人
大久保真紀
編集委員
専門・関心分野
子ども虐待、性暴力、戦争と平和など
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    菅野志桜里
    (弁護士・国際人道プラットフォーム代表)
    2022年2月18日17時23分 投稿
    【提案】

    検察官をしていたとき、子どもを被害者とする性犯罪の捜査・起訴・公判に携わることが少なくありませんでした。 多くの事件ではまず、警察官が複数回事情を聴きとり、それが供述調書となって検察官の手元に来ます。そこから今度は検察官が、被害者である子

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    大久保真紀
    (朝日新聞編集委員=子ども虐待など)
    2022年2月18日14時37分 投稿
    【解説】

     きょうだい間の性暴力、特に兄から妹への性暴力は、非常に多いとみられています。しかし、実際にどの程度起こっているのか、日本では統計さえもありません。児童虐待防止法で定められている「性的虐待」は、親などの監護者からの性暴力を規定したもので、兄

    …続きを読む