最新鋭のロシア軍、なぜ制空権を奪えない? 元米軍パイロットが分析

有料記事ウクライナ侵略の深層

ワシントン=高野遼
[PR]

 ロシア軍の侵攻には一つの謎があります。最新鋭の戦闘機をそろえたロシア空軍がいまだに制空権を奪えずにいるのはなぜなのか。専門家も頭をひねる謎を解くため、米空軍パイロット出身で元米国防次官補代理のマーク・グンジンガー氏に聞きました。

 ――侵攻開始以降のロシア空軍の動きについてどうみますか。

 ロシア軍が制空権をとる作戦に出なかったことには驚きました。まずロシア軍は、ウクライナ軍が持つ地対空ミサイルS300を全滅させるとみていました。そこで航空優勢を得たうえで、相手の軍事施設に大規模攻撃をするのです。

 確かに最初は弾道ミサイルや巡航ミサイルによる攻撃や、飛行場への攻撃はありました。でも想定したほどではなかった。たとえば本来は、飛行場を攻撃するなら滑走路を相手が修理できないように継続的に制圧する必要があったのに、単発で攻撃は終わっていました。

最新鋭戦闘機350機のうち、300機を近くに配備

 ――なぜロシア軍は制空権を奪いにいかなかったのでしょうか。

 不思議な話です。ロシア軍は…

この記事は有料記事です。残り1707文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
高野遼
アメリカ総局
専門・関心分野
国際ニュース
  • commentatorHeader
    奥山晶二郎
    (サムライトCCO=メディア)
    2022年3月14日18時29分 投稿
    【視点】

    先週から圧倒的に読まれ続けているこの記事。浮かび上がるのは読者の「そもそも」へのニーズの高さです。 ロシアによるウクライナ侵攻では、読まれている記事の傾向から、人々の関心の変化が浮かび上がります。 メディアの中にいると日々更新さ

    …続きを読む
書籍「ウクライナ侵攻 10の焦点」が発売中

書籍「ウクライナ侵攻 10の焦点」が発売中

1年余のウクライナ取材の集大成となる「検証 ウクライナ侵攻10の焦点」が発売中。朝日新聞出版、1870円(税込み)。※「朝日新聞出版」のサイトへ遷移します。[もっと見る]