ムシもハマる没入感「昆虫用VR」登場 出会い求めてさまようカイコ
竹野内崇宏
ゴーグルなどを装着して、本当は存在しない空間に入り込んだ気分で楽しむVR(仮想現実)。「没入感」を味わうのは人間だけではないようだ。大阪大の志垣俊介助教は、昆虫の生態を詳しく調べるため、錯覚に陥らせる昆虫専用のVR装置を開発。昨年11月に論文を発表した。
装置はランドセルを二つ重ねたほどの大きさ。装置の中心には、体長数センチの昆虫「カイコガ」のオスが背中を固定されてスタンバイする。絹を作るカイコの成虫の姿だ。
装置が作動すると、オスを取り囲む円筒の内側に並んだLED照明が明滅し、走馬灯のように回転。頭上に取り付けた送風装置も動き始め、メスのフェロモン(匂い)を含んだ風が吹き始めた。
虫もだまされる昆虫用VRが登場
するとオスは突然、足元の白…