ウクライナが応じられる唯一の「妥協案」 戦闘長期化でジレンマも

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喜田尚
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 ロシアのウクライナ侵攻から100日を迎えた。ロシア軍は首都キーウ(キエフ)近郊から撤退した後、戦力を東部、南部の支配地拡大に傾注。戦闘の長期化は避けられない情勢だ。ウクライナのゼレンスキー政権は犠牲者の増大を防ぐためロシアとの妥協が必要だとする声に強く反発する。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、5月25日深夜のビデオ演説で怒りをにじませた。「『偉大な地政学者』たちは普通の人々を見ようとしない。譲歩を求めるその領土には何百万人もが暮らしているのだ」

 その6日前、米ニューヨーク・タイムズはロシアのウクライナ侵攻の長期化に懸念を表明。「戦い、死に、家を失うのはウクライナ人。その指導者は領土で痛みの伴う決断をしなければならない」との論説を掲載した。

 領土の一体性を保つことはウ…

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喜田尚
国際報道部
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欧州、旧ソ連地域、民主主義、難民問題など人間の安全保障
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